本論文は、約250年前に作成された最古の北京実測図である『乾隆京城全図』のデジタル化と情報基盤としての活用について論じる。まずGoogle Earthを用いた幾何補正手法として、特に都市の古地図において重要となる直線状の地物の形状を保存する「直線保存型距離加重法」を提案する。次に『乾隆京城全図』で発見された問題点に対して、古地図の南西部に存在する錯簡を訂正し、古地図に附された索引を全面的に再照合することにより、古地図の情報基盤としての信頼性を高めることに成功した。最後に、この古地図を北京歴史空間の情報基盤として発展させていくための方向性として、古写真データベースとの統合や、参加型アーカイブへの発展などの点を論じる。
@InProceedings{ nk:jm08,
author = {西村 陽子 and 北本 朝展},
title = {Google Earthと『乾隆京城全図』を用いた北京歴史空間の情報基盤},
booktitle = {人文科学とコンピュータシンポジウム じんもんこん2008論文集},
pages = {81-88},
year = 2008,
month = 12,
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note = {},
}