本論文は約100年前に作成されたシルクロード古地図やGoogle Earth等のデータを活用して、シルクロード探検隊報告や現代の考古調査報告に記録された遺跡を照合する方法を提案する。遺跡の照合にあたっては「名寄せ」や「場寄せ」等の方法を用いて類似性に基づく証拠を収集し、証拠に基づいて複数の遺跡の同一性を判断した。このような遺跡照合をタリム盆地のトルファン地区とコータン地区において実施したところ、大部分の所在不明遺跡を現在の遺跡と対応付けることに成功した。ただし遺跡という概念には範囲や名称に恣意性があり、遺跡関係としては同一関係のみならず包含関係等も表現する必要があることを論じる。最後に、遺跡関係に関する情報を蓄積するためのシルクロード遺跡データベースの構想を紹介する。
@InProceedings{ nk:jm10,
author = {西村 陽子 and 北本 朝展},
title = {スタイン地図とGoogle Earthを用いた名寄せと場寄せに基づくシルクロード探検隊調査遺跡の解明},
booktitle = {人文科学とコンピュータシンポジウム じんもんこん2010論文集},
pages = {255-262},
year = 2010,
month = 12,
doi = {},
note = {},
}