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「アメラス」(AMeDAS Ranking Service)は、気象庁のアメダスデータをリアルタイムにランキングして表示します。このサイトでは、大別して2種類のランキングを提供しています。
多くのアメダス関連サイトで使われるランキング方式は、後者の「同時ランキング」です。ではなぜわざわざ、別種のランキング方式である「史上ランキング」を追加するのでしょうか。その理由は、「同時ランキング」が、災害の危険性を把握するという目的には必ずしも有効ではないという点にあります。
たとえば降水量について考えてみましょう。「同時ランキング」で上位になるのは、山間部に設置されたアメダス観測所になることが多いのですが、それは当然のことで、そうした地域の雨量はもともと平野部よりも多いのです。1時間降水量50mmという観測値が意味することは、多雨地帯と少雨地帯では大きく異なるのですが、単なる降水量のランキングでは、そうした意味合いを表現できないという限界がありました。
それに対して「史上ランキング」は、ある地点の過去の歴史の中である観測値をどう位置付けるかという観点からランキングしますので、多雨地帯か少雨地帯かは関係なくその程度を見積もることができます。すなわち、1時間降水量50mmという観測値に対して、それが1年に1回は発生する程度の豪雨を意味するのか、それとも10年に1回しか発生しないような豪雨を意味するのか、という観点からその意味を解釈することができるようになります。したがって、災害への備えという観点からは、同時ランキングよりも史上ランキングの方が有効であると考えます。
こうした考えに基いて、2種類のランキングをリアルタイムで計算するサイト「アメラス」を開設することにしました。そこにはアメダス統計で構築したデータベースが有効に活用されています。
なお本サイトの降水量は正時の降水量を用いているため、正時の降水量ではない統計と比較すると最大降水量などの値が異なる場合があります。その理由を24時間降水量を例にとって説明します。
まず日降水量と24時間降水量の違いです。日降水量はタイムゾーンの0時から0時までの24時間の降水量を計測したものですが、24時間降水量は任意の24時間の降水量を計測したものです。日降水量だと1日の境界(深夜)をまたぐ大雨の降水量が小さくなるため、24時間降水量の方がより大きな値となります。さらに日降水量はタイムゾーンにも依存し、日本標準時と世界標準時では値が異なります。こうした問題を考えると、大雨のインパクトを評価するには日降水量よりも24時間降水量の方が適していると言えます。ならば10分降水量に基づく1440分降水量の方が24時間降水量よりもさらに正確な値ではないか、ということになりますが、実際は1440分間降水量が使われることはほとんどありません。正時降水量と比較した場合に最大30分のずれが生じることを考えると、継続時間が1440分ならば影響はあまり大きくはありませんが、継続時間が60分だとその影響は無視できません。したがって1時間降水量の場合は、60分間降水量もしばしば使われます。ただし10分降水量がアメダスデータとして得られるようになったのは2008年であり、それ以前のデータとの連続性については注意を要します。
本サイトはベータ版であり、更新の遅れや不具合、誤りなどを考慮して、必ず気象庁等のサイト(例えば今日・昨日の全国観測値ランキング)や警報/注意報などをご確認ください。本サイトの利用によって生じた損害等については一切の責任を負いかねます。
なお本ランキングに利用しているアメダスデータの入手先は以下の通りです。関係各位には深く感謝いたします。
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