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デジタル台風:お知らせ:アメダス関連システムの復旧について |
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2012年05月08日
アメダス関連システムの復旧について
デジタル台風のアメダス関連システムは、2012年4月初めに障害が発生し、それ以来1ヶ月以上にわたって更新を停止していましたが、本日ほぼ復旧しました。以下にその原因と対処をまとめます。
そもそもの原因は、アメダス配信データのフォーマットが4月1日から突然変更され、風速の単位が1m/sから0.1m/sになったことにありました。事前の通知がなかったため、デジタル台風ではこの変更に対応できず、ウェブサイト上ではいきなり風速が10倍に表示されることとなりました。しかも不具合が発生した4月3日はたまたま全国的に強風の日だったため風速データがひどい状態となり、これ以上更新を続けることはできないと判断しました。そこでシステムを停止して、改修作業に入ることにしました。
ただし実際のところ、それ以前からアメダス関連システムは様々な問題を抱えていました。2005年2月のオープン以来システムが増築を重ねていたこともあり、バグやその他の問題が山積していました。そこで今回の停止をいい機会としてシステムを全体的に見直し、様々な懸案や既知のバグも同時に解決することにしました。そのために大量の変更作業が発生することとなり、1ヶ月以上の作業期間を要することになりましたが、結果的に以下の点でシステムを改善することができました。
- アメダス統計に2008-2010年のデータを追加:「アメダス年報」によるアメダスデータは、2008年以降に時別値から10分値に順次移行しましたが、デジタル台風ではこれに対応できていませんでした。今回の改修で、これに対応できるようになりました。
- 風向・風速アイコンの変更:アメダス画像やアメダス動画アーカイブ、Google Earthデータなどで、風速のアイコンをリアルタイム風向・風速マップに合わせて「矢印」に変更しました。以前のアイコンは気象庁の風向・風速と同様のデザインでしたが、風が実際に吹く方向を解釈しづらいという問題がありました。このデザインは誤解を招きやすいですし、デザイン上のメリットも薄いので、使うべきではないと個人的には考えています。
- データの精査:アメダス統計の過去のデータを精査したところ、消去すべきデータが消去されずに残っている例があることが判明しました。これを消去することでアメダス統計のデータがより正確になっただけでなく、アメダス集中豪雨に存在した、豪雨データの重複というバグも解消することができました。
- アメダス観測所情報の増強:アメダス統計で表示する各観測所の情報を増強し、特に「風速計の高さ」が確認できるようになりました。一般に高さが高いほど風が強いので、強風が観測された時には風速計の高さによる影響を確認することが重要です。従来はこれができませんでしたが、今後は各観測所のページで確認できるようになります。【追記:2012-05-14】アメダス観測所検索では、観測要素ごとの地図も見られるようになりました。
- アメダスイベント検出の改良:アメダスイベント検出では、新規観測所における最初の雨や風が必ず過去1位となるために、大雨・強風イベントを過検出してしまうという問題点がありました。そこで、観測所が存在する地域の統計値も参照するように変更し、過検出を防ぐようにしました。
- Sparkline表示の追加:リアルタイムアメダスアメダス降水量マップとリアルタイムアメダスアメダス風向・風速マップにSparkline表示を追加し、アメダス観測所のアイコンをクリックしてウィンドウを開くだけで、最近72時間の降水量・風速の大まかな変化を簡単に確認できるようにしました。
その他、外見的にはあまり違いが見えませんが、細かい点を多数修正しました。