本ページは、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東北関東大震災・東日本大震災)に関連する気象情報の中で、特に天気予報にも使われる数値予報モデルデータをアーカイブしています。
本サイトでは、重大事故が発生した東京電力福島第一原発(福島第一原子力発電所)周辺を中心に、東日本全体の風向き情報と雨量情報を提供しています。提供しているデータは数値予報モデルGPV(Grid Point Value)と呼ばれるデータですが、その詳しい内容については、気象庁 | 天気予報や台風についての解説の数値予報の項をご覧ください。
本サイトでは、GPVの気象要素の中でも特に放射性物質の拡散・沈着に影響する要素である、風向きと雨量のデータをマップ化しました。
また以前はマーカー版というページが存在しましたが、現在はより機能を拡張した世界版リアルタイム風向きマップに統合しました。こちらでは、GSM、RSM、MSMという気象庁のすべての数値予報モデルGPVを比較しながら、全世界の地上から上空までの風向きデータを可視化しています。またこの機能を利用した、火山周辺の風向きマップも公開しています。
なお上記のGPVデータは、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI:スピーディ)の予測で利用しているGPVデータとは異なります。後者はGSM(全球モデル:日本域、旧称RSM)と呼ばれるデータであり、MSMよりも解像度は粗くなりますが、予報時間が長くなるという利点があります(各種モデルの比較)。
福島第一原発周辺の風の情報のみを知りたいという方のために、以下のアカウントでは1日4回、24時間先までの風向きの予測をツイートします。
このアカウントは上記の33時間予報の時間帯にツイートします。ツイートする内容は以下のように生成しています。
ただし数値予報モデルGPVが示すのは全体的な傾向ですので、例えば昼夜で風向が逆転する海風や陸風、あるいは地形の影響による複雑な風など、もっと小さな範囲で素早く変化する風の成分が加わると、局所的にはこれとは異なる風向が観測されます。こうした局所的な風の影響を十分に気象シミュレーションに取り込むのは難しいので、風向・風速の観測値はこれとは異なる可能性もあります。全体図なども参考にしながら、総合的に状況を判断して下さい。
同様に予想雨量に関しても以下のアカウントでツイートします。
このアカウントでは予想雨量が10mm以上になったときにツイートします。また観測値やシミュレーションに関する注意点などは風向きの場合などと同様です。
なお、数値予報モデルGPVの風向き情報は、現在は日本全国をカバーしています。また気象参考データの各種データでは「詳細」と「広域」の図を用意しており、「詳細」は福島県が中心、「広域」は福島だけでなく、関東地方の茨城、栃木、群馬、埼玉、東京、千葉、神奈川を中心に、静岡、山梨、長野、新潟などもカバーしています。
過去の数値予報モデルGPVデータは以下のサイトでも閲覧できます。ただし、原発事故に対応したサイトではないため、福島第一原発付近が必ずしも見やすいわけではありません。また風向についても、元のデータの表現である東西風と南北風をそのまま表示しているため、実際の方向がわかりにくいという問題があります。したがって現在の風向を知るのであれば世界版リアルタイム風向きマップの方がお勧めです。
より確実な情報については、必ず気象庁のページを参考にして下さい。