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バイオイメージ・インフォマティクスによるマウスの表現型解析 |
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1. 概要
国立遺伝学研究所哺乳動物遺伝研究室との共同研究により、マウスを対象とした遺伝子型と表現型の関連を分析する方法を探っており、特に画像からマウスの体に生じた変化(欠陥)を抽出してそれを遺伝子型から理解する方法に関心を持っている。例えばX線CT画像でマウスの3次元スライス画像を取得し、それを標準的なマウスと比較することで、どの部分に欠陥が生じているかをハイスループットで解析する方法などを研究している。このような研究は、International Mouse Phenotyping Consortiumでも世界的な規模で進められている。
2. 研究課題
本プロジェクトで取り組んでいる課題は以下の通りである。
- 画像のレジトストレーション - 複数のマイクロCT画像を位置合わせして、平均画像を作成したり、画像間の差異を検出したりする。
- 表現型の検出 - 平均的なマイクロCT画像との差異を見出すことで、表現型として発現していると思われる部位を候補として検出する。
- 表現型の識別 - 検出された表現型候補のうち、一部は性差や血塊など既知の差異に対応するため、これらを除いて候補を絞り込む。
- 表現型の解析 - 表現型がどのように発現しているかを定量的に解析する。対象とする部位に特化したアルゴリズムが必要になる場合もある。
- 画像アノテーション - 3次元マイクロCT画像に対して注釈を付与できるようにすることで、実験結果の評価などにも利用可能なツールを作成する。
より詳しい内容については、以下のプレゼンテーションを参考にしてほしい。
- プロジェクト報告会, 2013年7月24日, 発表資料
- Sharmili Roy, Xi Liang, Asanobu KITAMOTO, Masaru Tamura, Toshihiko Shiroishi, Michael S. Brown, "Phenotype Detection in Morphological Mutant Mice using Deformation Features", 16th International Conference on Medical Image Computing and Computer Assisted Intervention (MICCAI2013), 2013年9月25日, 発表ポスター
また研究成果の一部はツールとして一般に公開している。
3.
参考文献(全リスト)
- Sharmili Roy, Xi Liang, Asanobu KITAMOTO, Masaru Tamura, Toshihiko Shiroishi, Michael S. Brown,
"Phenotype Detection in Morphological Mutant Mice using Deformation Features",
16th International Conference on Medical Image Computing and Computer Assisted Intervention (MICCAI2013), Part III, LNCS 8151,
K. Mori et.al. (編), pp. 437-444, doi:10.1007/978-3-642-40760-4_55,
2013年9月
(in English)
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概要
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