領域・空間情報を表現するグラフ構造を用いた類似画像検索

本論文は、類似画像検索システム構築の方法論、およびそれに必要な複数の要素技術を研究したもので、11章よりなる。

第1章は「序論」。続いて第2章では、本論文において類似画像検索システムの方法論として中心的役割を果たす、画像内容の抽象度に対応した階層構造をもった6層の「階層モデル」を提案し、以下の数章で各レイヤの要素技術とその相互関連を論じる。

第3章〜第5章は「画素レイヤ」に相当し、衛星画像で問題となる混合ピクセル(ミクセル)を適切に分類するための統計的分類手法として、「面積占有率密度」や「ミクセル密度」などの全く新しい確率モデルに基づいた分類手法を提案する。次に第6章は「領域レイヤ」に相当し、物体領域をプリミティブの集合として表現するための、変形モデルに基づく形状分解手法を提案し、「関係レイヤ」に相当する第7章では、プリミティブのグラフ構造への構造化に仮想引力モデルを適用する。続いて第8章は「認識レイヤ」に相当し、グラフ構造間の類似度として用いるグラフマッチングコストの定義と効率的な計算法についてまとめる。さらに第9章は「理解レイヤ」に相当し、本論文が提案する「ライフサイクル型遺伝的アルゴリズム(L-GA)」に基づく「人為選択法」アプローチによって、人間の検索意図に柔軟に追従しながら画像検索パラメータを対話的に最適化する方法を提案する。

第10章では、構築した3種類の画像データベースを対象として、検索精度、検索速度、柔軟性の面から実験結果を検討し、最後に第11章で結論をまとめる。

文献情報

北本 朝展, "領域・空間情報を表現するグラフ構造を用いた類似画像検索", 東京大学工学系研究科電子工学専攻博士論文, doi:10.11501/3140078, 1997年3月

BibTeX フォーマット

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