本論文の目的は、最大ゆう度しきい値選定法を拡張することで、ミクセルの影響を考慮した高速な画像分類法を実現することにある。「ミクセル」とは単一画素内で複数のクラスが混合して生じる画素のことを指すが、本論文はこのミクセルの集合が、画像ヒストグラム上に隠れた分布「ミクセル分布」を生成すると仮定する。そして、このミクセル分布のモーメントが解析的に導出できるという発見を利用して、ミクセルの影響を考慮したゆう度基準の定義と、これを最大化するアルゴリズムの定式化に基づくしきい値選定法を提案する。スキャナ読み取り画像や衛星画像などを対象とした実験の結果、画像ヒストグラム上でミクセルの影響により生じる裾の長い平坦部分とピーク部分に関して、提案手法はこれらをより明確に分離するようなしきい値を選定できた。さらに速度の面でも、提案手法は従来手法に比べて顕著な高速化を達成した。
@InProceedings{ k:prmu99,
author = {北本 朝展},
title = {ミクセルの影響を考慮した最大ゆう度しきい値選定法},
booktitle = {電子情報通信学会技術報告},
volume = {PRMU99-166},
pages = {7-14},
year = 1999,
month = 12,
note = {},
}