1. 気象衛星「ひまわり」図鑑

気象衛星「ひまわり」図鑑とは、過去の気象衛星画像から研究、防災、教育などに重要なシーン(名シーン)を切り取り集め(キュレーションする)ことで、静止画および動画を索引として活用できるデータベースです。

気象衛星ひまわり8号・9号が生み出した過去の膨大な画像に効率的にアクセスするには、研究、防災、教育などの点から重要なシーンをあらかじめ集めておく必要があります。災害に関係する画像、特徴的な雲パターンの画像、美しい雲の画像など、重要な画像を切り取って集めて索引を作成する作業を、我々は「キュレーション」と呼んでいます。

我々はCODHで開発するIIIF Curation Viewerをキュレーションに活用しました。そして作成されたキュレーションから、静止画および動画の索引を作成したものが、気象衛星「ひまわり」図鑑です。

なお、気象衛星ひまわり8号・9号の高解像度画像の閲覧には、気象衛星「ひまわり」クリッピングをご利用下さい。また静止画に限定した図鑑としては、気象衛星「ひまわり」ギャラリーもご活用下さい。

協力:気象キャスターネットワーク

2. IIIFの活用

なおこの気象図鑑の作成には、IIIF (International Image Interoperability Framework)を用いています。顕著な現象が発生した日時の気象衛星部分画像をキュレーションに加えていくことで、「名場面集」を中心とした一種の図鑑を構築してみました。さらに静止画だけでなく動画を図鑑に加えることで、時間発展する現象のダイナミクスを把握しやすい「動く図鑑」を実現しました。

具体的には、Curation APITimeline APICursor APIの3つの拡張仕様、およびImage APIという標準仕様を駆使したIIIF Curation Viewerを開発しました。さらに動画については、開始フレームと終了フレームをキュレーションに登録すれば、その間を線形補間でつないで動画化するスクリプトを開発しました。なお、動画を指定の大きさで作成するために、IIIF Curation Viewerのデフォルト選択サイズ設定プラグインを活用しています。