1. IIIFの自然科学分野への利用

IIIF (International Image Interoperability Framework)はデジタル化された文化資源の画像閲覧のために、図書館やミュージアムなどが中心になって開発を進めているフレームワークですが、今後は自然科学分野などへの活用が進むことも期待されています。高解像度画像の閲覧は自然科学分野でも重要なタスクであり、こうした分野のニーズに合わせてIIIF仕様の汎用性を拡張することが重要な課題となっています。

本サイトの対象とするひまわり8号・9号高解像度画像の場合、1枚の画像が11,000画素x11,000画素と巨大であり、さらに登場してから1年で50,000枚以上の画像がアーカイブされています。そこでこの問題に対応するために、ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センターが開発したIIIF Curation Viewerを拡張しました。具体的には、IIIF仕様を拡張するTimeline APIおよびCursor APIという仕様を提案し、これを参照実装しました。これが、巨大な時空間画像アーカイブを多解像度で閲覧可能な気象衛星「ひまわり」ビューアです。

同様の仕組みは巨大な画像が多い分野に有用です。リモートセンシング画像やカメラ撮影画像などはもちろん、医療分野における各種診断のための画像にも使えます。こうした分野の利用例が今後は増えていくと考えられます。

2. IIIFを用いたサービス

3. 参考文献(全リスト

  1. 北本 朝展, "IIIFを用いた時空間データへの多重解像度アクセスとひまわり8号データへの適用", 日本地球惑星科学連合(JpGU)2017年大会, No. MGI30-09, 2017年5月 [ 概要 ]
  2. 北本 朝展, "IIIF Curation Viewerを用いたひまわり8号・9号気象衛星画像のキュレーション", 日本地球惑星科学連合(JpGU)2018年大会, No. MGI26-09, 2018年5月 [ 概要 ]