貴重書ディジタルアーカイブにおけるテキスト可読性と異種メディア間共参照アノテーション

本稿は、貴重書を対象とした公開型ディジタルアーカイブの課題として、貴重書の最も重要なコンテンツであるテキスト情報の利用価値の向上という点を中心に議論する。まず公開型ディジタルアーカイブに特有の複製危険性という問題では、忠実度と利用価値のバランスが重要であることを議論し、テキスト可読性というテキスト利用価値を向上させるための「ディジタル漂白処理」という画像処理手法を提案する。次に文字認識などを利用した電子テキスト生成が、テキスト探索性というテキスト利用価値の向上につながることを述べる。更にテキスト情報と画像情報とが混在する図像史料において、テキストと画像という異種メディアの間の豊富な関連性のアノテーション(注釈)をとおして情報の利用価値を向上させるため、共参照という意味的な関係をアノテーションするためのソフトウェアOpen Ontology Forge (OOF)を提案する。なおこれらの研究成果を利用したディジタルアーカイブの構築も既に開始している。

文献情報

北本 朝展, 山本 毅雄, 佐藤 園子, ナイジェル コリアー, 川添 愛, 小野 欽司, "貴重書ディジタルアーカイブにおけるテキスト可読性と異種メディア間共参照アノテーション", 画像電子学会誌, Vol. 33, No. 5, pp. 737-745, doi:10.11371/iieej.33.737, 2004年9月

BibTeX フォーマット

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