アメダス1時間降水量でみる豪雨出現回数の推移
地球全体の気候変動により、激しい気象現象の頻度が増加するかもしれない。専門家の予測によれば、いわゆる地球の温暖化が原因となって、強力な台風がより多く出現するようになり、より激しい集中豪雨が増える可能性がある。このような仮説を検証するための一つの方法は、実際に集中豪雨の頻度がどのように経年変化してきたのかを調べてみること。その推移は気候変動の社会への影響を考えるうえで重要なテーマである。
地球温暖化のような地球規模の気候変動に対して、局所的なスケールでも集中豪雨の頻度が増加する可能性が指摘されている。すなわち、都市熱(ヒートアイランド)の進行によって、大都市域では集中豪雨の頻度が増加するという仮説である。これは「都市温暖化」とでも呼べる現象で、「地球温暖化」とは原因も対策も全く異なる現象である。しかし両者は、人間活動が影響した気候変化の可能性があるという意味で、共通する要因を抱える問題とも言える。
そこでこのページでは、アメダス1時間降水量の統計によって、豪雨の出現回数が実際にどのように推移しているのかを見ることにする。ここでは豪雨の定義として、1時間降水量が50mm以上、80mm以上、100mm以上を基準に選び、そのような事例が1年間に出現した回数の推移を調べる。なお、以下に注意点をまとめる。
- リアルタイム更新ではないため、最終年のデータは途中経過としての数値である。2013年は6月まで。
- 初期の数年間においてはアメダス観測所の設置数自体が少ないため、全体の出現回数も少なく出る傾向にある。
- この統計は、アメダスの「毎時資料」、すなわち00分から59分まで正時の前1時間降水量(*a)から計算しているため、豪雨の出現回数は少なくなる傾向がある。それに比べ、アメダスの「10分資料」から計算する1時間降水量(*b)を用いれば、例えば10分から09分までの1時間降水量なども計算できるため、豪雨をより正確な時間幅で捉えられるようになり、豪雨の出現回数は増加することになる。ある調査によれば、「1時間降水量100mm以上」を対象に調べてみると、*aの出現回数は*bのおよそ半分となった。ということは、このページの統計による豪雨の出現回数は、真の1時間降水量(任意の1時間の降水量)に基づく豪雨の出現回数と比べ、半分程度であると考えられる。
1時間降水量50mm以上の年間延べ出現回数
1時間降水量80mm以上の年間延べ出現回数
1時間降水量100mm以上の年間延べ出現回数
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