1. デジタルフォトフレーム版台風情報

デジタルフォトフレームの活用

デジタル台風では、わざわざパソコンを立ち上げてウェブサイトにアクセスしなくても、簡単に台風情報が入手できるようにしたいと考えています。そこでいわゆる「デジタルフォトフレーム」を利用した台風情報の伝達に関する実験を開始しました

まず通信機能付きのネット対応デジタルフォトフレームを用意します。ただし機種によって具体的な方法は異なりますので、ここでは特定の商品にはなりますが、ソニーのSONY VGF-CP1を利用した場合の方法を説明します。他のデジタルフォトフレームとの比較はおこないませんが、特殊な方法やサイトは使っておりませんので、同様の方法が使えるかもしれません(ちなみにチャンビー(chumby)に対応したアプリケーションがすでに提供されています)。なお、現状の製品では全くの初心者の方には設定が難しいと思いますので、以下は中上級者向けの概略的な説明となりますがご了承下さい。

気象衛星画像を表示する方法

  1. まずGoogleのPicasaウェブアルバムにアカウントを作成してください。すでにお持ちの方は、そのまま利用できます。
  2. Picasaウェブアルバムで「デジタル台風」等のキーワードで検索し、「Digital Typhoon」さんの一般公開ギャラリーを表示して下さい。URLはhttp://picasaweb.google.com/DigitalTyphoonStreamです。
  3. 「Digital Typhoon」さんのページで、名前の下に表示されている「お気に入りに追加」をクリックし、自分のお気に入りに追加して下さい。すると、お気に入りタブの中に「デジタル台風(気象衛星画像)」などのアルバムが現れます。ここまでで、Picasaウェブアルバムに関する作業は終了です。
  4. 次にVGF-CP1のファームウェアを、最新のバージョンにアップデートして下さい。最新版でなくても画像は表示できますが、一部の機能は動作しない可能性があります。
  5. VGF-CP1を無線LANでインターネットに接続し、Googleのアカウントを設定し、Googleに接続できることを確認します。詳しい方法はマニュアルを参照して下さい。
  6. 「フォト」から「Picasaウェブアルバム by Google」を選びます。ここで「Digital Typhoon」が出てくるはずですので、これを選びます。
  7. アルバムが表示されますので、「デジタル台風(気象衛星画像)」または「デジタル台風(台風画像)」を選びます。前者は地域(視点)を固定して気象衛星画像を表示するアルバム、後者は台風を追跡して気象衛星画像やその他のデータを表示するアルバムです。なお気象衛星画像は1時間ごとに自動更新、台風画像は3時間ごとの自動更新で、最新の画像のみをアルバム内に残します。
  8. アルバムを選択したら「新しいフレームを作成」します。フレームには「フォト」を選択して下さい。またスタイルとしては、後述のニュースを表示する場合には「シンプル」または「フロー」を選んでください。またシンプルの場合「表示間隔」を短くして下さい。一方、ニュースを表示しない場合には、「リラックス」か「スウィート」がおすすめです。
  9. ミュージックを指定してBGM音楽をつけると雰囲気が盛り上ります。標準のミュージックでもよいのですが、この地球スケールの画像に適した音楽があればさらに良いですね。もし自由に利用できる良い音楽があれば、このページで共有することも考えたいです。

気象衛星画像に台風ニュースを重ねて表示する方法

  1. スタイルで「シンプル」または「フロー」を選んだ場合には、画像に重ね合わせてニュースを表示することが可能です。例えばYahoo!ニュースの「国内」を選べば、台風接近中には気象衛星画像に台風ニュースを重ね合わせて見ることができます。ただし「デジタル台風」の情報をさらに有効活用するため、ここでは「デジタル台風」のRSSフィードを重ねる方法を説明します。
  2. いったんフレームの設定を終了してHOMEに戻り、「インフォメーション」からRSSの登録をおこないます。その方法は二つあります。
    1. Yahoo!ニュース・トピックスを表示して、そこの検索エンジンに「digital typhoon」と入力して検索し、そのトップ(たぶん)に出てくる「デジタル台風」のページに移動します。
    2. Webブラウザに「デジタル台風」のURL(www.digital-typhoon.org)を入力して下さい。ただし本体にURLを打ち込むのは面倒ですので、まず「台風への眼」のURL(eye.tc)を入力し、そこから「デジタル台風」に移動するのがオススメです(リンクはページの右側にあります)。なお、これらのページにはこれから何回もアクセスするはずですので、ぜひブックマークしておいて下さい。
  3. 「デジタル台風」がブラウザに表示されたら、ページの上部に表示されているMedia RSSのページに移動して下さい。このページに表示されているフィードのリンク(日本語ならhttp://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/mrss/ja.xml)をクリックして、フィードの中身を表示します。
  4. ここでVGF-CP1の「OPTIONS」から「RSS登録」を選んで「デジタル台風:台風情報フィード」をRSSに登録します。
  5. 気象衛星画像を登録したフレームを「HOME」から再生し、再生中に「OPTIONS」から「フレーム設定」を選び、表示するニュースを「デジタル台風:台風情報フィード」に設定します。これで、デジタル台風の気象衛星画像を表示しながら、その上にデジタル台風の台風ニュースを重ねることができます。
  6. 台風情報フィードについては、その他にTwitter版で提供するTwitterフィードを使うこともできます。こちらは、最新情報だけではなく過去の情報まで入ってしまうため、それほど使いやすくはありませんが、お試しとしてお使いください。

その他、このデジタルフォトフレームにはYahoo!天気情報(天気予報)も表示することができますが、これは気象衛星画像に重ね合わせて表示することができないようです。

以上の方法で、デジタルフォトフレーム上に最新の気象衛星画像と台風情報が表示できるようになるはずです。ただし、私自身もまだ完全にテストできたわけではないので、この通りには進まないかもしれません。改善点などありましたら、お知らせ下さればここに反映させたいと思います。

アメダス最新画像とアメダスニュースを表示する方法

Picasaウェブアルバムで「デジタル台風(アメダス)」アルバムを選ぶと、アメダス最新画像を見ることができます。こちらでは最新のアメダス降水量、風向・風速、気温、日照時間を地域ごとに可視化して表示していますので、これらの状況をビジュアルに確かめることができます。

アメダス画像にアメダスニュースを重ねたい場合には、アメダスフィードをお使いください。こちらでは全国のアメダス観測所の最新状況をRSSフィードとして配信しておりますので、適当なものを講読すればアメダス画像にアメダスニュースを重ねて見ることができます。なおAtom 1.0はデジタルフォトフレームが対応していない可能性がありますので、必ずRSS 2.0の方をご利用下さい。

この中で特におすすめなのが、アメダスイベント検出に関するフィードです。これは、数年に1度程度の大雨・強風が観測された場合のみニュースを生成しますので、平常時はニュースがなく少々寂しいですが、緊急時には大雨・強風のみを対象とした効率的な情報収集が可能となります。またこちらに関してもTwitter版で提供するTwitterフィードが利用できます。

過去の台風壁紙画像を表示する方法

また、デジタルフォトフレームの本来の使い道(?)により近い利用法として、「デジタル台風(台風壁紙画像)」アルバムを選ぶと、台風壁紙画像コレクションを表示することができます。こちらは台風画像のハイライトを集めたアルバムですので、ダイナミックな台風の姿を楽しめるのではないかと思います。

今後の展開

ネット接続対応デジタルフォトフレームは、家庭内(インハウス)デジタルサイネージという役割を果たす可能性を秘めた情報配信メディアと言えるでしょう。しかし、いかんせん商品としてはまだ発展途上であり、現在の商品も初心者が簡単に設定できるものとは思えません。今後の改善を期待したいです。