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地球環境に関する現在、過去、未来のデータは爆発的に増大しつつあるが、中にはデータを活用するための情報基盤が未整備なために死蔵されているものもある。また研究の融合化が進むにつれて、自分野のデータだけではなく他分野のデータも融合して活用する研究がますます求められるようになってきた。
そうした動きに合わせて、地球データ統合プロジェクトをいくつか進めている。その状況を以下にまとめる。
プロジェクト | 目的 | 対象 | 規模 |
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デジタル台風 | 科学データと社会データの統合、現在・過去・未来の統合 | 単一 | 小規模 |
Vertical Earth | 分野をまたぐ統合(Vertical Integration)、ネットワークをまたぐ統合(Horizontal Integration) | 複数 | 中規模 |
DIAS / CPS | 異種大規模データの統合、大規模情報空間を用いた統合 | 複数 | 大規模 |
SDGsとは持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)の略で、2015年の「国連持続可能な開発サミット」で採択されたものである。全体で17の目標と169のターゲットからなる。このSDGsの前にMDGs(ミレニアム開発目標)という目標があったが、MDGsに比べてSDGsの存在感は大幅に高まっている。国連や政府組織が広報に努めたという側面もあるが、より重要なのは世界がSDGsのような指標を必要とし始めていることであろう。特にビジネスの世界との距離が縮まったことがSDGsの重要な特徴と言える。例えばESG投資のように、Environment、Social、Governanceに優れた企業への投資を行う際の指標の一つとして、SDGsが使われるようになってきている。環境とビジネスの接近が大きなうねりとなりつつあるところに、SDGsがタイミングよく登場して注目度が高まったという面もある。我々が公開しているデータの中にも、SDGsに貢献できるものがある。
7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに |
11. 住みつづけられるまちづくりを |
13. 気候変動に具体的な対策を |
15. 陸の豊かさも守ろう |
17. パートナーシップで目標を達成しよう |
エレクトリカル・ジャパン | リスクウォッチャー | デジタル台風 | セイヨウ情勢 | DIAS |
なおSDGsのアイコンを利用しています。
ここで重要となるのが、社会利益分野という考え方である。社会利益分野(societal benefit area)とは、データを有効に利用することによって社会的な利益を向上させるような意思決定が可能な分野で、全球地球観測システムGEOSS(Global Earth Observation System of Systems)では以下の9つの分野が取り上げられている。
こうした社会利益分野に対して、どのようなデータを観測すべきかという点はそれぞれの分野において専門家が決めるべき事柄であるが、そうした観測されたデータを統合し、それを意思決定に活用できる形で提供できるように整備することは情報学の役割である。また、情報学はこれまでのデータに関する研究成果を活用し、データの新たな観測方法や処理方法、さらには活用方法についても他分野に提案していくことが期待されている。このような観点で見た場合、私の研究は以下のように分類できる。
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