1. 概要

社会の危機(クライシス)には多くの情報源から爆発的な量の情報が生み出されますが、情報のパターンが平常時と異なるため、その大量情報を適切に処理することは困難です。このことは2011年の東日本大震災時の混乱として記憶に新しいところです。災害のような危機が発生し、情報の緊急性が高まった時に、情報技術を使って支援することが第一の課題です。一方で、発災からしばらくたつと情報の量は減ってきますが、それまでに蓄積した情報を俯瞰的に見て、次の対策を考えていく視点が必要になってきます。そしてそれは次のクライシスへの備えとして、アーカイブされるべきものとなります。こうした長期的な情報のサイクルを支えていくことも第二の課題です。

市民講座「クライシス情報学」では、アイデアの一部を紹介しています。また研究プロジェクトとしてビッグデータと防災や、クライシス・ニュース・アーカイブGeoNLP - クライシス情報のマッピングもご覧下さい。

2. 関連するプロジェクト

自然災害

社会危機

3. 参考文献(全リスト

  1. 北本 朝展, "クライシス情報学 −災害などの危機に情報はどう役立つか?−", 平成24年度NII市民講座 第2回, 2012年7月 [ 概要 ]
  2. 北本 朝展, "クライシス・メディア・プロジェクト", 東日本大震災ビッグデータワークショップ報告会, 2012年10月 [ 概要 ]
  3. 北本 朝展, "ベイジアンテレビ:クライシス情報メディアのデザイン", 2012-2014シンポジウム|情報学による未来社会のデザイン~健全でスマートな社会システムに向けて~|第一回大量データにもとづく未来社会のデザイン, 2012年11月 [ 概要 ]
  4. 北本 朝展, "ベイジアンテレビ:クライシス情報メディアのデザイン", 第2回「知の創生と情報社会」シンポジウム ~しみわたる情報技術・にじみ出す知 ― いま、収穫の時!~, 2012年12月 [ 概要 ]
  5. Asanobu KITAMOTO, "Toponym-based Geotagging and Disambiguation for Social Media on Earthquake and Weather Events", 10th International Conference on Information Systems for Crisis Response and Management (ISCRAM 2013), 2013年5月 (in English) [ 概要 ]
  6. 北本 朝展, "ビッグデータ防災、そして人間と機械の役割", 電子情報通信学会技術報告, Vol. 115, No. 456, pp. 131-131, 2016年2月 (招待) [ 概要 ]
  7. Asanobu KITAMOTO, "Memory Platform for Disasters - Raising Awareness to Typhoon and Earthquake Disasters", International Workshop "Toward Building Regional Platform for Disaster Risk Reduction in Asia", 2016年7月 (in English) [ 概要 ]
  8. João MONTEIRO, Asanobu KITAMOTO, Bruno MARTINS, "Situational Awareness from Social Media Photographs Using Automated Image Captioning", The 4th IEEE International Conference on Data Science and Advanced Analytics (DSAA 2017), pp. 203-211, doi:10.1109/DSAA.2017.59, 2017年10月 (in English) [ 概要 ]
  9. 北本 朝展, "災害の非可逆性とアーカイブの精神―デジタル台風・東日本大震災デジタルアーカイブ・メモリーグラフの教訓", デジタルアーカイブ・ベーシックス2 災害記録を未来に活かす, 今村文彦 監修/鈴木親彦 責任編集 (編), pp. 169-197, 勉誠出版, ISBN 978-4-585-20282-0, 2019年8月 [ 概要 ]
  10. 北本 朝展, "クライシス・ニュース・アーカイブをどう読むか? 〜台風、東日本大震災、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の比較", デジタルアーカイブ学会第6回研究大会, Vol. 5, No. s1, pp. s51-s54, doi:10.24506/jsda.5.s1_s51, 2021年4月 [ 概要 ]
  11. Avinash Tulasi, Asanobu KITAMOTO, Ponnurangam Kumaraguru, Arun Balaji Buduru, "An Exploratory Study on Temporally Evolving Discussion around Covid-19 using Diachronic Word Embeddings", Proceedings of the Workshop on Natural Language Processing for Digital Humanities (NLP4DH), pp. 195-202, 2021年12月 (in English)