1. クラスタリング

クラスタリングとは、特徴空間中で距離が近いデータをまとめグループ化するための手法である。台風雲パターンに対してクラスタリングを適用するのは、これが台風の「典型的パターン」を見出すのに有用なのではないか、との期待からである。このようなクラスタリング手法を用いて、気象学的手法の代表例である「ドボラック法」で列挙されているような、「典型的雲パターン」を自動的に学習することが目標である。

K-平均法

K-means clustering ベーシックなクラスタリング手法である。確かに台風雲パターンの多様性は見てとることができるが、各パターンがバラバラに並んでいるような印象である。

自己組織化マップ

SOM clustering (10x10) SOM clustering (50x50) 自己組織化マップ(Self-Organizing Map)は、代表点の間に空間的なトポロジが定義されたクラスタリング手法であり、2次元空間にパターンを連続的に配置することができる。これは、高次元特徴空間から2次元空間への非線形射影であるとも考えることができる。この手法を用いると、台風雲パターンの分布を「高所」から連続的に眺めることができ、この配置を出発点として雲パターンの検索を開始することができる。