エレクトリカル・ジャパン(Electrical Japan)は、電力供給(発電所マップ)と電力消費(夜景マップ)の「見える化」とシミュレーションを通して、東日本大震災後の日本の電力問題を考えるためのサイトです。

発電所データベース

エレクトリカル・ジャパン(Electrical Japan)(以下本サイト)で構築した「発電所データベース」について、以下に具体的な構築方法や利用の注意点などをまとめます。なお「夜景マップ」については夜の地球:World Stable Lightsをご覧下さい。

データベース構築方法

予備調査

福島第一原子力発電所事故が発生して以来、日本の電力問題に関する議論が非常に活発化しました。しかし、中には感情論や十分な検討を経ていない議論もあって、なかなか発展的に議論が展開していかないことにもどかしさを感じていました。また地球の夜のあかりと電気エネルギー問題にも書いたように、電力問題では特定の立場を有利にするための言説(ポジショントーク)が多いようで、そうした偏りに影響されないためには、まず基本的なデータをもとに考えることが必要だと感じました。そうした基本的なデータの一つとして着目したのは、日本にどんな発電所がどのくらいあるのか、という「発電所データベース」でした。

そこで日本全国の発電所データベースを構築しようと思い立ち、予備的な作業に着手しました。発電所データを集めるために最初に注目したのは、おそらく誰もが思い付くアイデアだと思いますが、Wikipediaです。例えば以下のページが参考になります。

Wikipediaを使うだけで簡単に発電所を網羅できる発電方式もあります。例えば原子力発電所は全国的に数が限られているので、Wikipediaを使えば簡単に「全国の原子力発電所リスト」は作成できますし、実際にインターネット上にはそうしたサイトが大量に存在します。本サイトでも日本の原子力関連施設におけるSPEEDI環境放射線モニタリングと気象情報で、日本の原子力発電所マップを見ることができます。同様に地熱発電所も、数が限られていますので、網羅することは難しくありません。

一方、後述するように火力発電所は少し難易度が上がります。そしてさらに難しいのが新エネルギー発電所や水力発電所です。分散型電源として注目を集めていることでもわかるように、これらの発電方式では小さな発電所が大量に生まれますので、全国を網羅するのは決して簡単ではないのです。もちろん部分的なデータベースや主要な発電所を集めたデータベースは存在しますが、少なくともネット上では、小規模なものまで含めて全国に存在する全発電方式の発電所を網羅したデータベースは発見できませんでした。

次に思い付くのが電力会社のウェブサイトです。電力会社のウェブサイトにも発電所のリストはいちおう掲載されています。九州電力や沖縄電力などを調べてみると、それなりに使える情報もありました。しかし電力会社のウェブサイトで提供される情報は著名な発電所や電力会社自身がPRしている発電所などが中心となります。そうした発電所の情報は参考になりますが、網羅的な調査に役立つというには程遠い内容です。電力会社のウェブサイトも、結局はそれほど役立たないことがわかりました。

Wikipediaはけっこう頑張ってデータを集めている、だからWikipediaをちょっと整理すればデータベースが作れるのではないか、というのが私の最初の見通しでした。確かにWikipediaの中にも、データの網羅性が十分なレベルに達している分野があります(例えば日本の鉄道)。しかし発電所はそのような分野ではありませんでした。そうした網羅性をチェックせずにWikipediaを当てにしたのは、今から振り返れば大変に楽観的な甘い考えでしたが、逆に言えばそれだけ楽観的だったから、その後の泥沼的な(?)作業でも前進できたのかもしれません。

公的情報

Wikipediaでは確かにある種のリストが得られるのですが、それが全体の中でどのような位置づけなのかという全体像が見えない問題点があります。そこでこの分野の公的な文書を読んでみることにしました。選んだのは電源開発の概要 平成22年度版 - 経済産業省 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部編という本です。東日本大震災直後の発刊であるため、当然ながら福島第一原発事故に関する記述はありませんが、マニアックな意味で大変に面白い内容で、これを読むことで少し全体像が見えてきました。

この本には、以下の発電所の一覧があります(2010年3月末現在)。なお「一般電気事業者」とは東京電力等の全国10電力会社、また「卸電気事業者」(「卸供給事業者」も含む)は大規模な発電設備をもつ民間会社です(電気事業に関する用語解説)。

さて、この本を読むことによって、主要な発電所が全国にどのくらいあるのかはわかりました。しかし主要ではない小さな発電所は掲載されていません。また発電所名とその出力に関する記載はあるのですが、正確な位置情報(緯度経度)は記載されていません。つまり、この本のリストだけでは、発電所を地図にマッピングすることはできないのです。

そこで発電所の位置情報を入手するために、国土交通省の国土数値情報ダウンロードサービスを使うことにしました。国土数値情報には発電所というカテゴリがあり、全国の発電所(水力発電所、火力発電所、原子力発電所、地熱発電所)について、位置(点)、発電所名、事業者名、所在地、号機、認可出力等をまとめています。このデータによって、大きな発電所については位置情報を得ることができました。ただし作成時点が2007年なので、その後の新規発電所は含まれておらず、また発電所が建設中かどうかを再判定する必要はあります。

次に使えるものとして、国土地理院のウォッちず 地図閲覧サービスがあります。これは電子国土基本図(地図情報)を公開したもので、平成22年12月時点の2万5千分の1の地形図原データを利用した公共施設名の検索が可能です。ここでも一部の発電所を検索して位置を確認することができます。ただしあくまで地図なので、発電所名と位置がわかるのみで、発電所の出力などは他のデータベースと照合する必要があります。また、この地図自体には発電所が書き込んでない場合でも、後述するように地図中の人工水路に関する情報が、水力発電所の位置を特定するのに大変役立ちました。

ここまでで、大規模な発電所についてはある程度の情報を得ることができました。しかし、各種のデータを調べていくうちに、これだけでは網羅的なデータベースには程遠い状態であることがわかりました。発電方式別に、もっと深く掘り下げていかなければなりません。以下、発電方式別に、どのような作業をおこなったかをまとめます。

水力発電所

結論からいえば、水力発電所が最も難易度の高いタイプでした。日本全国には1000箇所以上の水力発電所が散在しており、多くのリストに登場する大規模な水力発電所などは、全体のごく一部に過ぎません。網羅的なデータベースを構築するには、小規模な水力発電所のデータをどうやって入手するかが鍵となってきます。

もう一つ、水力発電所に特有の問題点があります。それは発電に関係する設備が広域にわたるという点です。発電所の位置とは、狭義に考えれば「発電機が設置された場所」ということになるでしょう。ところが水力発電所の場合、発電に必要な水の落差を生み出すためのすべての設備が発電に関係する設備となり、それが他の発電方式と異なるややこしさを生み出します。例えば水力発電所の種類を以下のように分けてみましょう。

ダム式発電所はダム湖の近くに発電所がありますので、ダムの位置を調べれば発電所の位置もわかります。ところが水路式やダム水路式では、取水する場所と発電する場所が異なります。例えば、○○ダムの水を利用する水力発電所であっても、それが○○ダムの位置にあるわけではありません。このことが問題になるのは、ダムを基準として水力発電所のデータをまとめているケースです。例えばダムについて充実した情報を誇るダム便覧を使うと水力発電用のダムに関する情報は得られますが、これは水力発電所に関する情報とは異なります。またWikipediaも、ページ名からわかるように基準はダムです。たとえダムの位置がわかっても、水力発電所の位置はわからないケースがあるのです。

ようやく事情が飲み込めてきました。発電所データベースを構築するためには、ダム基準のデータではなく、水力発電所基準のデータが必要なのです。いろいろ検索しているうちに、以下の4つの情報源が非常に有用であることがわかりました。

上記のような問題点があるため、位置情報については信頼できる単一の情報源があるわけではなく、他の情報源の位置情報をそのままコピペするわけにはいきません。結局すべての水力発電所について、以下の手順で1件ずつ場所を確認していくことにしました(ただし住所からジオコーディングした場所は除きます)。

  1. 「ワイワイマップ」等の情報を使っておおまかに場所を特定し、その周辺をGoogle Maps地図上で探索する。
  2. Google Maps地図上に発電所の位置が明記されていれば、その位置に対応する緯度経度を利用する。もし明記されていなければ、Google Maps衛星画像に切り替えて水力発電所の建屋や特有の地物(送水管等)を探索して位置を特定する。
  3. Google Maps衛星画像の解像度が低い等の理由で上空からの画像だけでは発見しにくければ、「水力ドットコム」の現地写真や位置関係に関する記述とGoogle Mapsを見比べて(場合によってはGoogleストリートビューも参照して)、様々な視点を想像しながら位置を特定する。またYahoo!ロコ地図の方が詳細な情報が得られるならば、そちらも参照する。
  4. 以上の方法でも発見できなければ、ウォッちずで人工水路(地下水路)を探し、それと水力発電所のネットワークとを見比べながら位置を特定する。
  5. 発電所名や出力に関しては「水力発電所データベース」を典拠とする。ただし「水力発電所データベース」の情報が明らかに古くなっている場合には、他の情報源も参照して情報を更新する。

ここで問題となるのがGoogle Maps衛星画像の精度です。Google Maps衛星画像上で緯度経度を拾った場合、衛星画像の位置合わせ誤差が影響して正確な緯度経度を取得できないことがあります。ただし本データベースはそこまで高い精度を保証するものではありませんので、これらは許容できる誤差として扱うことにしています。

このように1件ずつ確認する方法には大変な手間がかかります。簡単な場合には20-30秒で確認ができますが、最も困難な場合には1件につき10-30分も時間を要することもありました。自分は何をやっているんだろう(苦笑)という疑問もありましたが、苦労が実って徐々に水力発電所のデータも充実してきました。ただし様々な情報源を統合したため、精度の問題(後述)はまだ解決できていません。

火力発電所

火力発電所については、これまでの作業で大規模な発電所に関するデータはおおむね揃っています。しかしほとんど丸ごと欠落している火力発電所の種類があります。それが「内燃力発電所」と呼ばれるものです。

火力発電所は主要な燃料をもとに分類されますが、主に利用されている化石燃料は以下の3種類です。なお後述のように、新エネルギーに分類されるバイオマス燃料も一部の火力発電所で用いられています。

これとは異なる分類基準として、発電方式による分類もあります。

最後の内燃力発電は燃料から言えば石油火力発電の一種なのですが、一般的に「石油火力発電所」には分類されず、むしろ「内燃力発電所」という別カテゴリに分類されます。というのも、内燃力発電所は電力会社では特殊な用途でしか利用されないからです。それが離島における小規模発電所です。

内燃力発電所を多く保有しているのは、離島が多い東京電力、九州電力、沖縄電力です。離島には本土から送電するすべがありませんので、島ごとに発電所を設置して、その中で完結する電力ネットワークを維持しなければなりません。そこで活用されるのがディーゼルエンジンを用いた内燃力発電所ですが、この発電方式は効率が悪いため、各電力会社は内燃力発電所で毎年多額の赤字を出しているのが実情です。ちなみにこの問題が理由となり、離島では再生可能エネルギーの実証実験が盛んに行われています。内燃力発電のコストが高過ぎるため、たとえコストが割高な再生可能エネルギーでも元が取れる可能性があるのです。

火力発電所で難しいのはこの内燃力発電所に関する情報でした。九州電力や沖縄電力ではリストを公開していますが、詳しい位置情報はわかりません。東京電力ではリストさえわかりません。そこでいくつかの情報源を組み合せて位置を特定していきましたが、意外なページが役立つことになりました。それが、NPO法人有害化学物質削減ネットワークが運営する温室効果ガス特定排出者データベースです。これは温室効果ガスを排出する事業者に関する情報をまとめたデータベースですが、火力発電所は温室効果ガスを大量に排出することから、このデータベースの対象となるのです。つまりこの場合は、排出物から追跡すれば良かったということになります。

新エネルギー(再生可能エネルギー)発電所

再生可能エネルギー発電所の種類としては、太陽光発電所地熱発電所水力発電所風力発電所バイオマス発電所があります。これらの発電所は一般電気事業者も設置していますが、数が圧倒的に多いのは特定規模電気事業者や自治体等です。したがって再生可能エネルギー発電所の場合は、一般電気事業者が運営する発電所のリストは役に立ちません。Wikipediaも多少は発電所を列挙していますが、網羅性に欠けているのが現状です。

そこでまず風力発電所に調査に着手しました。最初に着目したのが、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が整備するNEDO新エネルギー部:[日本における風力発電設備・導入実績] | 都道府県別導入事例です。ここには風力発電所のリストが網羅的に揃っていますが、市町村レベルでの所在地しか情報がないため、ここから位置情報を正確に得るのは困難です。

次に着目したのが、資源エネルギー庁のRPS法ホームページ(新エネ等電子管理システム)です。RPSとはRenewable Portfolio Standardの略で、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(RPS法)のもとでは、電気事業者は自ら「新エネルギー等電気」を発電するか、もしくは他から「新エネルギー等電気」を購入するまたは「新エネルギー等電気相当量」を取得しなければなりません。その対象は風力、太陽光、地熱、水力(1MW以下)、バイオマスですが、このサイトにはその認定設備に関する情報(2011年3月31日現在)が集約されています。このリストは網羅的なもので、住所情報も細かく記載されています。また風力発電所だけではなく、他の新エネルギー発電所に関する情報もまとめて得られるという点でもありがたいリストです。さらに小水力発電所については、上記の水力発電所に関するデータの欠落を補うという利点もあります。

なお水力発電は出力の規模によって、以下のように区分されることが多いです。RPSが対象とする水力(1MW以下)は、下記の区分では「ミニ水力」および「マイクロ水力」となります。ただし、全国の水力発電所一覧地図にはすべての水力発電所が、出力による区別なしに登録されています。

風力発電所

風力発電所について注意すべき点はその位置です。風力発電所の位置は風車の位置とするのが妥当ですが、複数の風車をもつ風力発電所の場合に問題が生じます。本データベースでは風力発電所の位置を点で表しているため、複数の風車点をどの位置で代表させるかを決めなくてはなりません。例えば複数の風車点の重心で代表させるという方法も考えられますが、「ウィンドファーム」などとも呼ばれる大規模な風力発電所では、複数の地域に風車が分散している場合もあるため(資料によっては別の発電所という扱いの場合もあります)、重心が常に代表点になるわけではありません。そこで本データベースでは完璧な方法を考えることはあきらめ、ある一つの風車の位置で風力発電所の位置を代表させることにしました。どの風車を選ぶかについては、できるだけ風力発電所の真中付近を選ぶようにしましたが、場合によっては異なる基準を適用している場合もあります。

なお風力発電所の位置については、風力発電所事業者のサイトの他、各種のウェブ上の資料を参照しました。地域ごとには情報がよくまとまっているサイトがいくつかありました。また以下のサイトもときどき利用しました。

上記のサイトなどで風力発電所の名称が不正確になってしまう大きな原因は、複数の風力発電所が隣り合って立地している場合があるためです。日本全国を見ても風力発電の適地は限られているため、そうした適地には多くの事業者が風車を集中立地することになります。すると、どの風車がどこの事業者のどの風力発電所に属するのか、極端な場合は1本ずつ見極めないと風力発電所の位置を決められません。その地域の風車に関する全体的な図面があればこの作業も可能ですが、通常はそのような図面は存在しません。やむをえず、各種の資料を比較検討しながら個々の風車の所属を見極め、その推定にしたがって風力発電所の位置を確定させていきましたが、非常にわかりにくい地域では確定できなかった場合もあります。

太陽光発電所

太陽光発電所について注意すべき点は、特定太陽光発電が含まれていない点です。

特定太陽光発電とは、電気事業者に買取義務のある電気を発電する設備で、主に住宅などの小規模な太陽光発電に対応します。認定設備の状況(2011年8月31日現在)によると、太陽光発電が125件(63.093MW)であるのに対して、特定太陽光発電は806,448件(3112.301MW)となっており、特定太陽光発電の方が件数は6452倍、出力は49倍と圧倒的に大きな数字となります。

本データベースに登録されている太陽光発電所だけでは、日本における太陽光発電の実績を過小評価してしまうことにご注意下さい。

バイオマス発電所

バイオマス発電所について注意すべき点は、発電所の出力に非バイオマス燃料による出力も含まれている点です。

バイオマス発電所の中には、木質バイオマスなど生物由来の燃料のみを燃やす(専焼)発電所と、それらを石炭などの化石燃料に混ぜて燃やす(混焼)発電所があり、後者の場合はバイオマスから発生する熱量はごく一部となります。太陽光発電所と同様に認定設備の状況(2011年8月31日現在)を参照すると、バイオマス発電の出力19713.699MWに対して、使用燃料のバイオマス熱量比率を乗じた出力は2246.402MWです。つまりバイオマス燃料由来の熱量は、平均して全体の11%程度です。

本データベースに登録されているバイオマス発電所の出力をすべてバイオマス由来と考えると、日本におけるバイオマス発電の実績を過大評価してしまうことにご注意下さい。

まとめ

以上のように、さまざまなデータを統合することで、発電所データベースを構築しました。現時点のインターネット上で閲覧できるものとしては、かなり大規模なものと言ってよいと思います。

ただし、今になって思うことですが、実は政府にはもっと完全なデータベースが存在するのではないでしょうか(特に経済産業省?)。もし政府がこうした公共的なデータをもっとオープンに公開してくれれば、個人がこんな苦労をしなくても済むことになります。東日本大震災後には、政府のデータをもっとオープンにすべきというオープンガバメントに向けての動きが見られましたが、そうした動きを一層推進してほしいと思います。東京電力のデータ隠しが厳しく問われているように、きちんとしたデータ公開のもとでより的確な政策決定をしていくことが、東日本大震災後の日本の電力問題を考えるうえでのキーポイントだと考えています。

電力統計

電力に関する統計は資源エネルギー庁 インフォメーション 統計情報_電力調査統計_調査の結果の中で、特に「発電所認可出力表」や「月間最大電力(一般電気事業者)」と「発電設備利用率(一般電気事業者)」等を参照しています。

電力使用状況

現在の電力使用状況については、Yahoo! Japanデベロッパーネットワークが提供する電力使用状況APIを利用しています。

現在および過去の電力使用状況のグラフには、東京電力 でんき予報および東北電力 でんき予報が提供するデータを利用しています。

データ品質

整備状況

全国の発電所は約5000箇所あると言われていますが、その中で本サイトで重要な存在となるのが、一般電気事業者および卸電気事業者が運営する発電所です。それら事業者の発電所数については、上記の資源エネルギー庁 インフォメーション 統計情報_電力調査統計_調査の結果の「発電所認可出力表」にデータがあります。そこで電力調査統計と本サイトの発電書数を、以下の表で比較してみました(電力調査統計は2012年1月現在、本サイトは2012年4月現在)。

事業者 全体 水力 火力 原子力 風力 太陽光 地熱
北海道電力株式会社 69/67 53/53 11/11 1/1 2/0 1/1 1/1
東北電力株式会社 231/230 211/210 13/13 2/2 0/0 1/1 4/4
東京電力株式会社 196/196 163/163 25/25 3/3 1/1 3/3 1/1
中部電力株式会社 201/198 185/183 11/11 1/1 1/1 2/2 0/0
北陸電力株式会社 139/140 127/128 6/6 1/1 3/3 2/2 0/0
関西電力株式会社 166/166 150/150 12/12 3/3 0/0 1/1 0/0
中国電力株式会社 112/111 97/97 12/12 1/1 0/0 2/1 0/0
四国電力株式会社 65/65 58/58 4/4 1/1 1/1 1/1 0/0
九州電力株式会社 197/195 141/140 44/45 2/2 2/2 3/1 5/5
沖縄電力株式会社 38/22 1/0 21/21 0/0 7/1 9/0 0/0
電源開発株式会社 68/67 59/59 7/7 0/0 0/0 1/0 1/1
日本原子力発電株式会社 2/2 0/0 0/0 2/2 0/0 0/0 0/0

上記は「本サイトの登録数/電力調査統計の発電所数」という形式でまとめたものです。大まかに見れば本サイトは一般電気事業者(全国10電力会社)の発電所をほぼ網羅していると言えます。ただし細かく見ればいくつかの問題点があります。例えば、本来であれば登録数≦発電所数となるはずですが、そうはなっていない箇所もあり、その原因として以下のような理由が考えられます。

次に、一般電気事業者等に限らず全国に存在する発電所の内訳を、資源エネルギー庁 インフォメーション 統計情報_電力調査統計_調査の結果の「発電所認可出力表」と「自家用発電所認可出力表」を参考に整理したのが以下の表です(2011年9月末現在)。

事業者分類 発電所数 認可最大出力 (MW)
一般電気事業者 1,382 208,790
卸電気事業者 69 19,610
特定電気事業者 6 280
特定規模電気事業者 (PPS) 11 2,011
自家用発電 3,205 56,322

位置情報の精度

本サイトの発電所の位置は、様々な要因で不正確になっています。主な要因は以下の通りです。

  1. 一部の水力発電所については、発電所の位置ではなくダム湖(貯水池)の位置を登録してしまっており、それが(ダム)水路式の発電所の場合に位置情報が不正確となります。
  2. 一部の発電所は、住所のジオコーディングによって位置を推定していますので、住所情報が不十分の場合には位置情報が不正確になります。本サイトでは特に新エネルギー発電所がこの問題の影響を受けています。 ⇒ この問題は現在はほぼ解消しました(ニュース)。

発電所の出力

発電所の出力はメガワット(MW)で統一しています。他の資料では「万kW」という単位もよく使われていますが、より表記しやすいメガワットを使うことにしました。

また発電所の出力としては、「定格出力」「最大出力」「認可出力」等の値を登録しています。これは「最大でこのくらいなら発電できる」という値であって、「いつでもこの出力で発電できる」という値ではありません。例えば各発電所の出力を単純に合計して「頑張ればこれだけ発電可能だ」とする議論がありますが、それは再生可能エネルギー系の場合には特に非現実的な仮定です。年間を平均すると最大出力の何パーセントで発電できるのかという利用率を加味しないと、本当の発電能力(真の実力)を割り出すことはできないことに注意してください。

また卸供給事業者(IPP)の発電所に関しては、発電所そのものの出力を記載している場合と、自家発電を除く卸供給部分の出力のみを記載している場合とがあり、両者の統一は取れていません。その点についてもご了承下さい。

運転開始日

ほとんどの場合は上記の資料のいずれかに記載のある運転開始日を登録していますが、一部については「電力発電所設備総覧 平成17年新版」(日刊電気通信社)や発電所事業者のウェブサイト等を参考にしています。また運転開始日に関するその他の問題点については日本の発電所の歴史についてをご覧下さい。

発電所名

水力発電所については上述のようにひとまず典拠として使える情報源がありますが、その他については正確な名称を確認できない場合があります。例えば火力発電所や原子力発電所では、「火力」や「内燃力」、「原子力」という発電方式が発電所名に入る事業者と入らない事業者があり、その区別についてはすべてを確認できたわけではありません(一部はWikipediaを典拠としています)。またRPS認定設備の発電所名については、発電所名に事業者名が重複して含まれて冗長な一部の発電所では事業者名を削除しています。さらにウェブサイト上に発電所のわかりやすい名前(通称等)が明示されている場合には、そちらに置き換えています。IPP等については、そもそも発電所の正式名称が明確ではないため、工場名+「発電所」といった形で発電所名を設定している場合もあります。本データベースの発電所名は、あくまで目安としてご利用下さい。

事業者

本サイトは複数のデータを統合しているため、統一した基準のもとで発電所を取捨選択しているわけではありません。基本的には「一般電気事業者」および「卸電気事業者」を中心とし、それ以外の事業者については「たまたまデータが見つかった」場合に登録している、というのが実情です。また再生可能エネルギー発電所についてはRPS法認定設備を網羅しており、その意味で基準は明確ですが、全体としては複数の基準が混在してしまっているという面もあります。本サイトの目的は日本全国の発電所の分布から電力問題を考えることにありますので、できれば売電を目的としない自家発電所は除いて、系統に接続している発電所を中心にする予定ですが、あまり厳密な定義や基準を設けることは考えていません。

また事業者名については、基本的に各種資料にある名称を用いていますが、混乱が生じるのは複数の事業者が出資している発電所の場合です。発電所のような巨額の投資を必要とする事業の場合、複数の事業者が出資して会社を設立することがよくあります。そのような場合、本データベースの事業者名が、新しい会社なのか出資者の会社なのかで統一が取れていないことがあります。また、事業の譲渡なども不定期に発生するため、そうした情報の反映がきちんとできていないこともあります。

以上にまとめてきたように、本データベースはまだ完全なものとは言えず、種々の問題が残っています。もしデータベースの改善に協力したいという方がいらっしゃればフィードバックまでお知らせ下さい。

参考:電気事業法上の用語

事業者分類 英語名
一般電気事業者 General Electricity Utility 東京電力等の十大電力会社
卸電気事業者 Wholesale Electricity Utility 電源開発、日本原子力発電
特定電気事業者 Specified Electricity Utility 東日本旅客鉄道、六本木エネルギーサービス等
特定規模電気事業者 (PPS) Specified-Scale Electricity Utility エネット、丸紅、エフパワー等
卸供給事業者 Wholesale Supplier 公営発電所、共同発電所、大規模工場等

参考:日本法令外国語訳データベースシステム

電力供給・消費に関するデータ

電力供給(発電所マップ):日本全国の発電所データベースを独自に構築しました。インターネット上では日本最大規模のデータベースです。

電力消費(夜景マップ):DMSP衛星による地球の夜景データを用いて、宇宙から見た地球の夜景を可視化しました。ここでは2009年のデータ(F162009)を利用しています。

最新の電力供給・消費データについては電力使用状況をご覧下さい。

電力供給・消費に関する各種統計データについては電力統計見える化をご覧下さい。

サイトに関する情報

更新情報(登録発電所数3045 /最終更新2012年05月17日)

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