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2010年11月20日現在、台風が14個しか発生していません。今までの最低記録は1998年の16個ですが、今年はこの記録を更新するんじゃないですか?また、来年も今年みたいに少ない状態になるのですか?
質問ありがとうございます。本日11月24日、ついに2010年は過去最低の1998年に追い付かれてしまいました。台風199814号は11月24日に発生したからです。2010年の台風はなぜ、少ないのですか?に回答した時点では、最小記録の可能性については何とも言えない状況でしたが、いよいよ記録更新への期待(?)も高まってきた今日この頃です。
さて今年は、これからいくつの台風が発生しそうでしょうか。台風個数統計では11月24日以降に発生した台風のリストを見ることができます。さらにこの結果を「発生年分布」として表示してみると、最大4個発生した年もありますが、2個発生した年は18年、1個の年は17年、0個の年も10年あることがわかります。つまり、今から新たに台風が2個発生するためには、平均的かそれ以上のペースで発生しなければならないのです。実は1998年は後半にかなり追い込んだ年でもありますので、2010年の低調な発生ペースが続けば、いよいよ最低記録の更新も現実味を帯びてきます。
来年も今年のようになるのか、それは私には何とも言えません。過去の例を見ると、1998年の後は1999年が22個、2000年が23個と、平均を下回る年が続きました。さすがに今年の少なさはかなりの「異常値」でもあるので、統計的にはこのような状況が続くことは想定しにくいです。ただし太平洋の海水温の上昇によって大気の流れが変化した、あるいは大気上層の気温の上昇によって大気が安定化して台風が発生しにくくなったなど、今年の異常値が何らかの大規模な気候変動の現れなのであれば、その影響は長引いてくる可能性もあります。
1998年との類似性としてもう一つ興味深いのは、1998年も2010年も、非常に発達した台風が1個出現したということです。具体的には、台風199810号と台風201013号が、10月中旬とほぼ同じ時期にフィリピン東方で猛烈に発達し、数年〜十年の期間で最強の台風となりました。この類似性は偶然性なのかもしれませんが、全般的に台風が発達しにくい環境において、たまたま発達の機会を得た台風は、海洋に蓄積した熱エネルギーを得て猛烈に発達するということなのかもしれません。
あれ、これって気のせいか、地球温暖化シミュレーションが予測する未来の台風の姿と似てますね。。本当のところどうなんでしょうか。実は私にもまだよくわかりませんが、ひとまず今後の台風の推移を見守りたいと思います。
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