ご質問ありがとうございます。2011年の台風では台風201102号が最盛期に920hPa/105ktを記録した以外は、いずれも弱い勢力にとどまっています。現時点での傾向を見るには、トップページ右上の「平年」のリンクから台風個数統計を確認してください。例えば7月2日時点の台風個数統計を見ると、7月2日以前に発生した台風のリストと7月2日以降に発生した台風のリストが閲覧できますので、これで7月2日を基準としたシーズンごとの傾向を比較できます。いろいろ分析してみて下さい。
さて2011年の傾向については2011年の台風活動でも考えましたが、2011年の台風経路図でもわかるように発生地点が西に偏っていることが、勢力の強い台風が発生しにくい一つの原因になっていると思います。例えば南シナ海で台風が発生しても、すぐに台風の勢力圏が陸地にかかってしまうため、なかなか強く発達するには至りません。また、フィリピン東方沖は一般的に台風が発達しやすい領域ですが、すべての台風が発達するわけではなく、例えば台風201105号のように発生当初の条件が悪ければ、それを解消する間もなく北上してしまって発達する機会を失います。
まだ7月に入ったばかりの台風シーズン前半でもあり、現状から台風シーズンの傾向を推測することは困難ですが、現状の傾向が続けば強い台風は発生しにくいかもしれません。もし台風が北西太平洋中部で発生するようになれば、海水温が高い領域を時間をかけて進むことが可能となるため、強い台風も出現するようになるのではないでしょうか。