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台風の眼がはっきり見えてくるようになると、その台風は最盛期の場合が多いのですか?
ご質問ありがとうございます。台風の眼が見えるということは中心付近の風速がある程度は強まったことを意味しますので、これは台風が発達していることのサインになります。ただし、いくつか注意すべき点があります。
最も重要な点は、一般的に眼が小さい方が台風は強いということです。普通だと眼が大きい方が強いのではないかと思いそうですが、眼が大きい場合には中心付近の気圧変化がなだらかになっていることがあり(鍋底台風ともいいます)、それほど強い風にはなりません。反対にサイズが小さく周囲の雲が切り立ったような眼をもつ台風は、中心付近の気圧の傾きが大きいために非常に強い風を伴います。ですので、ピンホールのような小さな眼をもつ台風ほど危険なのです。台風200514号のように、巨大な眼をもつ強い台風というのもあることはあるのですが、どちらかというと例外的だと思います。
その他、形としては丸い眼を持つものの方が、不規則な形の眼を持つものよりも強くなります。また時々ですが、眼の上部が雲で覆われて衛星画像上で見えにくくなる場合があります。そのような場合は雨雲レーダーや他のデータを併用できれば、それらから眼の構造を把握できるかもしれません。
さて、それほど大型ではなく強い台風の一つの典型的な発達パターンは以下のようになります。まず小さな眼を持つように発達し、勢力のピークではくっきりとした小さな丸い眼を持ちます。しかしこの状態はそれほど安定したものではないために1日程度しか持たず、その後は中心気圧の上昇と共に眼も拡大していきます。またこの過程で、第二の眼が第一の眼の外側に出現して、全体の眼がそちらに置き換わることもあります。そしてある程度勢力が衰えるとそこで安定し、2-3日ぐらいは勢力を維持できることもあります。この時の眼はピーク時よりも大きいことに注意して下さい。
以上からわかるように、台風の眼が小さくくっきり見える時期が台風の最盛期ですが、大きな眼は必ずしも最盛期ではないという点に注意してください。なお台風の最盛期に近い時期の画像は台風壁紙コレクションに揃っています。これらを見ながら、台風の勢力と眼の見え方の関係を探ってみて下さい。
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