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JTWC等の台風警報に関して、多くの気象機関では以下のような基準で警報を発表しています。
台風警報で最大風速が30m/sとなっている場合、30m/sは確実に吹くと考えられるが、実際はこれを上回る風が吹いてもおかしくないから、それを念頭に警戒しろと言う意味になります。この値を算出するときには、実測を反映することもありますが、基本的には実測された値ではなく解析(予測)上考えられる値を示します。
また台風警報における最大瞬間風速は、解析(予測)される風速に一定の換算値をかけて算出します。日本では、最大風速と最大瞬間風速の関係から1.5倍程度としていますが、最大瞬間風速が観測された時刻における平均風速との比較から得た換算値ではありません。性格の異なる値を基にしているので、弱めに出ることもあります。
一方、米軍の台風情報における最大瞬間風速は、軍事作戦上の必要から極限値を示すことを目的としています。従って、日本の警報における最大瞬間風速とは主たる目的が異なりますから、日本と同じ解釈を用いてはなりません。つまり、日本(多くの気象機関)の台風警報における風速は確実にこのぐらいは観測するであろう数値、一方米軍台風警報における風速は最大でこのぐらいは観測するかもしれない数値、ということになります。
WMOは2012年から、TCP(Tropical Cyclone Programme)のマニュアルに風速の換算に関する情報を出しています。各国がこの換算方法をそのまま適用するかは判りませんが、受け手側の判断として見当するには参考になろうかと思われます。
これは過去のJTWC台風データを参照する方法に対するコメントです。
なお、上記のTCP(Tropical Cyclone Programme)のマニュアルには、各種の風速の換算式が掲載されており、参照するのに便利です。例えば、10分平均風速と1分平均風速との比率については、伝統的には0.88倍という値が用いられてきましたが、マニュアルでは海上で0.93倍、陸上で0.84倍という値を推奨しています。また、最大風速(10分)と最大瞬間風速(3秒)との比率については、一般に1.5倍〜2倍程度の値と言われていますが、このマニュアルでは海上で1.23倍、陸上で1.66倍という値を推奨しています。その他にも色々と詳細な情報が掲載されており、本当に詳しい情報を得たい方には参考になりそうです。
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