ご質問ありがとうございます。デジタル台風で扱っている公式の台風データは1951年(昭和26年)以降が対象です。それ以前については、公式にまとめられたデータは存在しませんが、天気図等からコツコツと拾い出していけば、ある程度はまとめられると考えていあす。ただし、気圧測定および補正の精度が保証できないことや、気圧の単位が「水銀柱ミリメートル(mmHg)」だった時代もあることなどを考えると、気圧データを統一してデータベース化するのは難しいかもしれません。少なくとも1950年以前のデータは、1951年以後のデータとは区別して扱う必要があると考えます。
なお参考記録としては、昭和の三大台風の上陸時の気圧が記録されています。例えば室戸台風は室戸岬で911.6hPa、枕崎台風は枕崎で916.3hPaを記録したとのことです。これほどの低い気圧はその後は沖縄・奄美以外では記録されておらず、この2つの台風は本土に接近・上陸する台風としては稀なほどの強い台風だったと言えます。一方、昭和の三大台風の中では唯一正式記録が残る伊勢湾台風は、上陸時の中心気圧が929hPa、そして名古屋地方気象台では最低気圧958.5hPaを記録したことがわかります(ただし現代の記録と比較するには気圧の補正が必要です)。こうした低い気圧とそれによる強い風速が、伊勢湾に発生した前例のない高潮の主要な原因となりました。
米国については、英語のページでも構わなければ、国立ハリケーンセンターが提供するHurricanes in Historyなどが主なハリケーンに関するデータをまとめています。有名なところでは、1935年のハリケーンがフロリダで観測した892mbが上陸(通過)ハリケーンとしては史上最低気圧、そして大災害で記憶に残る2005年のハリケーンカトリーナ(Katrina)は、上陸時の中心気圧が920mbだったそうです(航空機観測では洋上で902mbを記録)。