ご質問ありがとうございます。2011年の台風の発生数の予想や福島第一原発に台風が上陸したらどうなりますか?でも触れたように、台風の年間予測はなかなか難しい問題で、現在のところまだ確立した技術はありません。各社の発表ともそれほど確信を持って発表しているわけではないと思いますが、情報としてのニーズは大きいことから、現時点のベストな方法でひとまず発表しているのが現状だと思います。
2010年のまとめでは、1999年は台風の活動がそれほど強くなかったという事例を持ち出しました。しかし2011年の梅雨が1951年の統計開始以来では史上最速に近いペースで進行するなど、今年は例年とは季節の進み方が大きく異なっています。こうした特異な年に台風がどう影響を受けるかを予測するのはなかなか難しいところだと思います。
ただ今年の台風の傾向を見るとフィリピン東方および南シナ海で連続発生しており、太平洋中部ではまだ発生していません。梅雨明けと共に太平洋高気圧が強まると、北西太平洋中部では今後もしばらく台風が発生しにくい状況が続くかもしれません。そうなると、どちらかというと北西太平洋西部で台風が発生し、西に向かう傾向が続くことも考えられます。そうした傾向がいつ変化するか、注目していきましょう。