いつもご利用ありがとうございます。ご指摘の現象は、実はデジタル台風:台風進路予想図(Google Maps版)でも発生しています。その原因は、Google Maps APIの有料化です。
Googleマップの上に情報を表示して利用する場合、Google Maps API(Google Maps Platform)を利用する必要がありますが、この料金が2018年7月16日から大幅値上げとなりました。デジタル台風ではこのサービスをこれまで無料で利用していましたが、7月16日以降はそれができなくなりました。デジタル台風でこの費用を負担できればいいのですが、費用を試算してみると月額で最大数十万円以上になってしまい、これではデジタル台風プロジェクトが破産してしまいます。そこで、一日あたりの利用回数に制限を設け、それを越えた場合は正しく表示できない設定としました。現在もどのような方法がよいかを試行錯誤中ではありますが、状況が改善する見込みはありません。
代替策として、Googleマップではない他の地図への入れ替えも試行しています。例えば気象警報マップは、以前はGoogleマップを使っていましたが、値上げを機会に国土地理院が提供する地図に入れ替えました。レーダーについても、将来的にはこちらに入れ替えることを考えています。しかし、すべてを国土地理院の地図に入れ替えることは、なかなか難しいという面もあります。英語表示が必要な場合や海外表示が必要な場合など、この地図では十分にカバーできない部分もあるからです。またOpenStreetMapという優れた地図もあり、こちらは世界をカバーしているのですが、国境表示という厄介な問題があるためデジタル台風では残念ながら使えません。その他、地図の候補はいくつかありますが、いずれも決定版とは言えない状況です。
Googleマップの大幅値上げは世界中の個人開発者や中小企業、公共団体などに影響を及ぼしています。値上げ幅は数倍から数十倍に達するため、ビジネスモデルも根本的な変更を迫られます。有料化せず収入もないプロジェクトがGoogleマップを気軽に利用できた時代は終わり、今後はGoogleへの高額な支払いに見合った収入を得ることが求められる時代となるでしょう。デジタル台風はこの条件を満たさないため、いずれはGoogleマップの利用を止めざるを得ないと考えています。ただし一気に移行するのは難しいため、代替案が成長する状況を見極めつつ、少しずつ作業を進めていく計画です。