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JTWCでは衛星画像の解析技法にADT (Advanced Dvorak Technique)を用いており、2007年に試験運用開始、2008年春からは実用化されています。
ADTに関しては、ウィスコンシン大学が公表しているものがあります。多少のチューニングは行われていると思いますが、ベースは全く同じ解析手順ですので、参考になるでしょう(ADT – Advanced Dvorak Technique Users' Guide)。JTWCが実際に使用しているのは、ATCF (Automated Tropical Cyclone Forecasting System)で、この一つにADTが導入されています。
2010年の国際会議(ワークショップ)での衛星解析に関する部分を見ると、同じDvorak法でも違いがあることが分かります。CMA(中国)の解析法は多分に異質かも知れません。2017年に台風委員会(ESCAPーTC)が横浜で開催された際、衛星解析による強度について調査が行われ、誤解析があったことが判明しています(Final Report Harmonization of Tropical Cyclone Intensity Analysis)。
現在、JTWCが解析しているドボラック解析の情報は、JTWCのwebページにあります。例えば現在は28Wの情報が出ています。
中心気圧の推定にあっては、ウィンドベクトルを用いる手法もあるため、一様ではありません。あくまで風から推定される気圧傾度風の理屈をあてて近似表現しており、このプロセスがJTWCとは異なるということです。ただ、JTWCは熱帯低気圧警報では中心気圧を直接は表現していません。あくまで、ADTによる自動解析による値であって、観測値ではありません。例えば現在はSIGNIFICANT TROPICAL WEATHER ADVISORY FOR THE WESTERN AND/SOUTH PACIFIC OCEANSやPROGNOSTIC REASONING FOR SUPER TYPHOON 28W (TRAMI) WARNINGが出ています。
ご存知の通り、JTWCの年次報告にも、熱帯低気圧の中心気圧の解析値は何処にも明記されていません。この値を出しているのは、NRL (Naval Research Laboratory)で、当時の解析ツールから自動算出した推定気圧をそのまま掲載していると言うことで、厳密には理論上の数値と考えた方が良いでしょう。
これはJTWCベストトラックの中心気圧の値についてに関するコメントです。有益な情報をありがとうございます。
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