台風198206号はいわゆる「復活台風」（参考：台風の一生 - 台風（熱帯低気圧）の定義と温帯低気圧との関係）で、台風として存在していた期間が2つに分かれています。この前半がTyphoon Tessで、後半がTyphoon Valです。

このような調査には、米軍合同台風警報センター(JTWC)が発行する熱帯低気圧年報（Annual Tropical Cyclone Report）が有用です。1982年版のATCRを見ると、Tropical Storm TessとTropical Storm Valの経路図が掲載されています。またJTWCが提供するWestern North Pacific Ocean Best Track DataのKMLをGoogle Earth等で表示する方法でも、これらの台風の経路を確認できます。

気象庁とJTWCの見解の違いにより、台風の発生順序が入れ違ってしまうことはよくありますが、復活台風に関する見解の違いは珍しいのかもしれません。ただし、国際的には気象庁の定義が正式なものとなりますので、TessとValは同一の熱帯低気圧とみなされて1982年台風6号となります。