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1960年代後半の気象年鑑を見ました。冒頭にエッサが撮影した画像が紹介されていました(例:1966年の台風26号や1967年の台風22号等)。当時はアメリカの衛星が撮像したものを受信、モザイク合成したものですが、これらも収集・公開する予定はありますか?
ひまわりと異なり、全球はなく日本の周囲のみで、画像そのものも不鮮明なのは承知していますが。
ご要望ありがとうございます。本サイトのひまわり衛星画像は1978年12月1日が最も古い画像です。しかし、連続して揃っているのは1981年3月以降で、それ以前はまとまった抜けがあります。この抜けの部分を、フィルムをデジタル化したデータで補ってはどうかという話は以前からありました。今回のご要望は、それよりさらに昔の衛星画像に関するもので、果たしてフィルムが現存するのかどうかも定かではありませんが、もしフィルムが残っていれば同じ作業をすることになります。
さて今のところ、こうしたフィルムのデジタル化、およびデジタル化データのアーカイブは予定にありません。というのも、こうしたデータは位置合わせが困難であるため処理することができず、人間が見るしか使い道がないからです。そうなると、こうした画像は現在の台風データベースに統合することができなくなり、周囲から浮いてしまいます。
このような理由でアーカイブはしてきませんでしたが、とはいえ、将来的に全く可能性がないわけでもありません。例えば、歴史的な気象資料のアーカイブという観点で見れば、ごく初期の衛星画像は貴重な歴史的資料として、アーカイブ対象に含めるべきと考えることもできます。機が熟せば、こうしたアーカイブを開始する可能性もありますので、気を長くしてお待ちください。
それに加え、歴史的な気象資料として何が貴重なのかを整理しておくことは、実は最近の大きな課題かもしれない点を指摘しておきたいです。というのも、気象庁の本庁は近い将来に移転することが決まっており、その引越しの際に大量の資料が廃棄される可能性があるからです。もし重要な資料が紙やフィルムの形態で残っており、それをデジタル化して残すべきなのであれば、引越しより前にデジタル化を開始しなければなりません。その他にも、気象庁の施設が移転するたびに、古い資料は廃棄対象とみなされるでしょう。気象庁の資料保存方針は外部からはわかりませんが、引越しは資料の発見および散逸の最大の機会ですので、歴史的資料のアーカイブという観点からも注目しておくべき状況だと思います。
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