気象庁の台風情報と米軍の台風情報の精度比較に関しては、これまでも色々議論があったところです。精度が同じかどうかは検証が必要で、私はそのデータを持ち合せておりません。ただし気象庁予報のきめ細かさによって、複雑な経路を正しく予報できた事例があることは記憶していますので、そういう点では気象庁予報の方が優れているとも言えるでしょう。とはいえ、人間の記憶には予報が良かった事例よりも予報が悪かった事例の方が強い印象として残りますので、もし米軍の予報のみが良かった事例があれば、それが偏って人々の記憶に残るというバイアスもあるでしょう。
私自身の立場は、デジタル台風:台風情報 - 気象庁と米軍(アメリカ海軍) Joint Typhoon Warning Center (JTWC)に以前から書いているように、「米軍台風情報はセカンドオピニオン」というものです。色々な情報を組み合わせて判断するのが防災情報の基本ですし、個々の情報が一致しないことも想定の範囲内です。どちらが優れているという視点ではなく、どれをどう組み合わせて判断をするかという感覚を日頃から鍛えていかねばなりません。そのためには独立した情報源が複数存在することが重要です。気象庁情報をファーストオピニオンとしつつも、米軍情報などをセカンドオピニオンとして活用することにも意味があると考えています。