1. サイクロン ZOE

2003年1月5日

The Eye of Cyclone ZOE from GMS502122721VIS; 275km in Width ソロモン諸島のティコピア島一帯をサイクロンが襲った。このサイクロンZOEはこの地域では過去最大級のものであり、その直撃を受けた孤島に住む島民たちの安否が懸念されたが、サイクロン通過後の調査により、住居はほとんど高波にさらわれてしまったものの、島民約 1300 人の人命には全く被害がなかったことがわかった。 このように被害が奇跡的に少なかった秘密は、島民全員が島の高台にある洞窟に避難した、という適切な避難行動にあった。長年サイクロンと戦い続けた島民たちは、そこが一番安全な場所だということを知っていたのである。彼らはこうして80m/s と推定される最大風速の中を生きのびた。 このサイクロンについては、過去最大級という勢力への急速な発達ぶりが興味深い。ごく普通の熱帯低気圧から、わずか1日〜2日で過去最強クラスまでに発達した背景には、どのような気象学的要因があるのだろうか。

2. 関連ニュース

3. 画像コレクション

以下の画像は気象衛星ひまわり(GMS-5)が観測したものである(赤外センサIR1および可視センサVIS)。画像の中心はソロモン諸島・ティコピア島(S12.1, E168.5)に固定して いる。時間はすべて UTC 。カッコ内の最大風速(ノット)は Joint Typhoon Warning Centerの解析に よるもの。

IR1 VIS
GMS502122500.1 GMS502122500.0
2002 / 12 / 25 0000 UTC
GMS502122512.1
2002 / 12 / 25 1200 UTC (35 kt)
GMS502122600.1 GMS502122600.0
2002 / 12 / 26 0000 UTC (55 kt)
GMS502122612.1
2002 / 12 / 26 1200 UTC (75 kt)
GMS502122700.1 GMS502122700.0
2002 / 12 / 27 0000 UTC (95 kt)
GMS502122712.1
2002 / 12 / 27 1200 UTC (155 kt)
GMS502122800.1 GMS502122800.0
2002 / 12 / 28 0000 UTC (155 kt)
GMS502122812.1
2002 / 12 / 28 1200 UTC (145 kt)
GMS502122900.1 GMS502122900.0
2002 / 12 / 29 0000 UTC (120 kt)
GMS502122912.1
2002 / 12 / 29 1200 UTC (100 kt)
GMS502123000.1 GMS502123000.0
2002 / 12 / 30 0000 UTC (95 kt)
GMS502123012.1
2002 / 12 / 30 1200 UTC (75 kt)

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