台風201718号 (TALIM) 台風の名前 = タリム (TALIM) : 鋭い刃先 [フィリピン]

2017年11月09日 06:30 JST

台風18号(TALIM)は、速報段階では初の「4島(九州、四国、本州、北海道)上陸」台風と言われていました。ニュース記事では台風18号の上陸に関して、初の4島上陸を扱った記事が残っており、気象庁防災情報XML(全般台風情報)の当時の発表でも、9月18日12時過ぎに、北海道胆振西部に上陸という記録が残っています。そして台風上陸・通過データベース(完全版)でも、4島上陸は過去にないことが確認できます。 ところが最近おこなわれた再解析(ベストトラック)によって、北海道到達時には温帯低気圧に変わっていたと判定されたため、4島上陸は取り消しとなりました。ただ、こうなるだろうなということは当時から私も予想していましたので、意外な感じはありません。 台風の上陸は社会に対するニュース価値が大きいため、低気圧が勢力を保っている段階で「温帯低気圧に変わった」という科学的な観点での発表をわざわざ行うことの意義は、防災上の観点から見ると微妙なところです。そうした科学的な情報は事後に確定することにして、とりあえずリアルタイムでは台風のまま情報の発表を行うというのは、妥当な選択ではないかと感じます。 もちろん、台風と発表されることで行政担当者の特別対応が必要となるため、その点に対する配慮は必要です(参考:気象庁の予報精度と防災行政)。ただし台風が勢力を保ちつつ(あるいは再発達しつつ)温帯低気圧化している場合、どのみち防災上は台風と同等の防災対応が必要となりますので、そうした場合は大きな問題とはならないと考えられます。気象庁もそうしたことを総合的に判断した上で、ベストトラック時点での温帯低気圧化を選択したのではないかと想像します。その意味で、気象情報を受けとる我々の方にも、速報段階での「4島上陸」はあくまで仮の記録としてあまり騒がない、という冷静な態度(?)が求められると言えるでしょう。

2017年09月15日 19:30 JST

台風18号(TALIM)は引続きゆっくりと進んでいますが、まもなく東に転向してスピードを上げ、九州から西日本を通過して日本海を進み、北海道にまで到達する見込みです。発生から消滅までのコースは台風199119号とよく似ています(台風199119号と台風201718号の経路比較)。台風199119号による被害は暴風被害を中心に全国に及び、特に東北地方のリンゴ農家でりんごの落果被害が大きかったことから「りんご台風」と呼ばれることもあります。今回の台風はこれほど強い勢力ではありませんが、しだいにスピードを上げて日本海を通過するコースなどがよく似ている点を踏まえて、早めに備えてください。

2017年09月14日 19:30 JST

台風18号(TALIM)は昨日宮古島の東側を通過して、現在は東シナ海で速度を落しています。これは向きを変える予兆ですので、まもなく東に転向するものと思われます。宮古島は台風中心の直撃は免れましたが、中心を取り巻く壁雲などがかかったために大雨となり、城辺では24時間雨量494mmを記録して1978年以来の観測史上で最大の雨量となりました。風速についてはそこまで強い暴風とはなりませんでしたが、下地では最大瞬間風速50.9m/sを記録しています。 台風はその後さらに発達して現在は最盛期を迎えていますが、今後どのぐらい勢力を保ったまま九州に接近するでしょうか。台風の雲はしっかりした構造を見せているため、今後もあまり衰えずに九州を直撃する可能性はあり、さらに予報によると、その後はスピードを上げて本州から北海道まで日本列島を縦断していく見込みです。なにも連休という観光シーズンや秋の収穫という稲刈りシーズンを直撃しなくてもいいでしょ、とは思いますが、9月15日から25日頃はこれまでも数々の強い台風が日本に接近してきた時期であり、自然の季節変化としては仕方ないという面もあります。

2017年09月10日 01:00 JST

台風18号(TALIM)がマリアナ諸島で発生しました。今後は発達しながら西に進む予報です。

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