台風201115号 (ROKE) 台風の名前 = ロウキー (ROKE) : 男性の名前 [米国]

2011年10月01日 14:30 JST

台風15号(ROKE)による人的被害は9月26日現在で死者15人、行方不明3人となっています(消防庁による)。大雨となった愛知県や岐阜県で被害が拡大しています。また台風第15号による暴風・大雨(気象庁)によると、大雨と強風は各地で観測されており、非常に広い範囲に影響を与えた台風であったと言えます。ただし大雨に関しては大雨イベント検出に基づいて大雨マップを作ってみると、過去の記録と比較した基準では関東平野部や紀伊半島、静岡沿岸部の雨量が意外とそれほどでもなく、むしろ東北や甲信・北陸・兵庫等が多かったことがわかります。特に東日本大震災の東北被災地での大雨はこの地域では記録てきなものとなり、被災地だけではなく避難先や仮設住宅などにも被害を及ぼし、1年の間に相次ぐ災害となってしまいました。

2011年09月21日 22:15 JST

台風15号(ROKE)は静岡から北関東を通って福島県の浜通りを通過しており、これから東北〜北海道方面は、太平洋沿岸を中心に台風の影響を受けそうです。東北地方でも大雨によって河川が増水し、避難指示も各地で出されるようになりました。また福島第一原発における大雨も累積雨量が250ミリを越えました。そして特に心配なのが、東日本大震災の被災地における影響です。 一つは、仮設住宅という急ごしらえで作られた建物が、事前の想定にはなかったような増水や土砂災害の影響を受けることです。仮設住宅は長年住んでいた場所ではないため、災害の想定が十分ではない可能性があります。もう一つは、地震による地盤沈下で、高潮や増水の影響を受けやすくなった地域への影響です。最近被災地を訪ねましたが(参考)、地盤沈下による影響は本当に深刻だと感じました。津波に襲われ、今回は高潮に襲われている地域もあります。堤防や排水装置が復旧していないこともあって、これらの地域は災害に対して非常に脆弱な状態に置かれています。気象庁は潮位観測情報を出していますが、各地の潮位は天文潮位をかなり上回っており、現在はちょうど満潮時刻前後の時間帯となっています。

2011年09月21日 16:00 JST

台風15号(ROKE)は14時頃に浜松市付近に上陸しました。アメダス浜松を確認すると、14時に952.2hPaを記録しており、少なくとも上陸時の中心気圧は950hPaかそれ以下ということになりそうです。これは上陸時の中心気圧が低い台風のトップ10に次ぐレベルですが、トップ10はいずれも紀伊半島以西に上陸してますので、静岡県付近に上陸した台風の中では歴史的に見ても強い台風と言えます。ちなみに台風上陸・通過データベースの対象は1991年以降の台風です。 レーダー画像によると、現在は静岡県が大雨の中心になっています。今後は関東地方でも風雨が強まりそうです。東海地方だけでなく関東地方でも交通が麻痺状態になってきました。

2011年09月21日 12:45 JST

台風15号(ROKE)は紀伊半島の東を北東に進んでおり、まもなく東海地方に上陸する見通しとなってきました。この台風は中心を取り巻く雨雲が非常に強く発達しており、それが東海地方にかかってきています(レーダー画像)。特に台風の中心がこれから通過する静岡県は最大限の警戒が必要です。一方で紀伊半島の大雨はピークを越えつつありますが、これまでの大雨もありますのでまだ安心はできない状況です。心配されていたせき止め湖については、水位計の故障(?)もあって詳細な状況は不明です。 今後は台風が接近する関東地方でも、夕方にかけて影響が広がってきそうです。さらにその北には福島第一原子力発電所もあります。台風は今後スピードを上げることから、関東から東北にかけて風がさらに強まる状況も予想されます。福島第一原発に過去に接近した台風を見ると、福島第一原発の西側を台風が高速に通過する場合に強風が発生しています。また雨もすでに100mm降っていますが、今後さらに100mm以上の雨が予想されており、それによる地下水の増加も考えられます。今後の推移については風向きマップ雨量マップなども確認して下さい。

2011年09月20日 16:30 JST

台風15号(ROKE)による大雨が非常に強くなってきています。にんじん状に延びる雲が同じようなところに次々と発生することで、局所的に激しい雨が長時間続いています。レーダー画像によると、強い雨雲が延びているところは愛知県から岐阜県、淡路島から兵庫県、そして宮崎県から大分県です。アメダスイベント検出を見ると、いずれの地域で南南西から北北東に向けて強雨ラインが延びています。また高知県や静岡県山間部も要注意です。 名古屋市守山区では庄内川の水が溢れ始め、避難指示が出ました。気象条件としては11年前の2000年9月に発生した東海豪雨に似てきたのかもしれません。この時は愛知県の庄内川や新川・天白川が過去最高の水位を記録しました。この時に比べて今回は、大雨の中心がやや上流寄りかもしれませんが、いずれにしろ庄内川や木曽川(中流)流域では雨量が増えています。外が暗くなると避難しにくくなりますので、早めの避難が必要です。ただし避難中の事故を避けるためには、避難が難しそうな時は無理に避難しないという判断を下した方がいい場合もあります。 台風15号はここに来て本領発揮というか、いよいよ勢力を強めてきています。この台風は解析と予想がしづらいタイプの台風でしたが、今日になって全体がコンパクトにまとまってきたことから、台風の接近・上陸に伴って中心付近では予想以上の強風と大雨になるかもしれません。下の図が示すように台風の眼は非常にはっきりしています。

2011年09月20日 07:30 JST

台風15号(ROKE)は種子島の南にあって発達を続けています。眼がこれまでよりもくっきりとしてきました。台風の中心付近にも厚い雲が形成されてきましたが、これはまだ陸地にはかかっていません。またレーダー画像では九州、四国、東海には強い雨雲が見え、台風が接近する前から強い雨が続いていることがわかります。愛知県岡崎市では床上浸水も発生しました。また警戒が続く紀伊半島のせきとめ湖の水位も上昇しており、熊野ではいよいよ越流開始点に迫ってきました。午前7時現在、あと5cmです。

2011年09月19日 19:00 JST

台風15号(ROKE)は沖縄東方で一周するなど停滞を続けていましたが、ようやく北に向けて動き始めました。それに伴って強い雨雲が九州、四国、本州に近付いており、台風と秋雨前線が重なってこれから雨が本格化しそうです。特に紀伊半島では台風12号災害からの復旧がまだ終わっていませんが、ここでも台風が通過するまでに多い所で300ミリ〜400ミリの大雨が予想されています。

2011年09月18日 17:15 JST

台風15号(ROKE)は大東島地方の西方で一周する経路を描き、再び大東島地方に接近しています。10:40には南大東島で45.5m/sの最大瞬間風速を観測しました。大東島地方では雨も強いようで、レーダー画像を見ても大東島地方上空、中心付近には局所的に非常に強い雲があるようです。なお本土で現在雨が強まっているのは、九州および東北地方です。

2011年09月16日 20:00 JST

台風15号(ROKE)は沖縄付近で速度を落としてきました。台風進路予想図を見ると、予報円の中心は5日間かけて沖縄本島の周囲をウロウロする予報となっています(ただし5日後の予報円はかなり大きいので進路は変化するかもしれません)。しかもこの台風は台風12号と似ていて、中心付近の雲の発達というよりは広範囲の大気の回転によって勢力を保ち、中心付近から離れたところにも雲域が広がっています。このようなタイプの台風は衰えにくいという傾向があります。 アメダス風向・風速マップを見ても、台風が接近している沖縄本島でも大した強風にはなっていません。したがって風はそれほど問題にはならないと思いますが、問題となるのは雨です。アメダス降水量マップを見ても、九州から四国、紀伊半島で雨が強まってきました。特に現在雨が強まっているのが宮崎県です。地図の上にある「GPV風向・風速」レイヤをクリックしてみると、これらの地域に東風が吹き込んでいることがわかります。この湿った風が山地で雨雲を作り出し、大雨を引き起こしています。 問題はこの大雨が、必ずしも台風の接近によって引き起こされているわけではないことです。台風は沖縄方面にあってまだ西方向に進んでますので、台風の中心が接近するかどうかと大雨が続くかどうかは分けて考える必要があります。気象レーダー画像を見るとわかるのですが、台風の中心では強い雨雲は少なく、雨雲の中心は全く離れた地域に広がっています(まるで台風とは無関係の雨雲に見えるほどです)。しかも台風が衰えずに沖縄付近に停滞するとなると、台風が送風機となって同じ地域に風を送り続け、太平洋岸の大雨も長期化する可能性があります。これは位置関係こそ違うものの、台風12号と似たような大雨のパターンでもあり、これに台風16号の接近や秋雨前線の南下が今後は組み合わさって、各地で大雨が続く可能性も出てきました。これは先日の大雨で大きな被害を受けた紀伊半島にとっては良くないパターンです。 なお紀伊半島の各地では、土砂災害によるダムの形成(河道閉塞)が問題となっています(位置は台風12号による災害マップで確認可能)。本日の雨で土砂ダムが決壊する可能性が高まったため、避難勧告や避難指示よりもさらに厳しい、台風災害では異例となる「警戒区域」(立ち入り禁止区域)も設定されました。土砂ダム近辺のリアルタイム雨量を確認するには、以下のアメダス観測所のデータが参考になります。
  • 吉野(奈良県吉野郡吉野町)
  • 天川(奈良県吉野郡天川村)
  • 上北山(奈良県吉野郡上北山村)
  • 風屋(奈良県吉野郡十津川村)
  • 玉置山(奈良県吉野郡十津川村)
  • 護摩壇山(和歌山県田辺市)
  • 龍神(和歌山県田辺市)
  • 本宮(和歌山県田辺市)
  • 栗栖川(和歌山県田辺市)
また五條市大塔町赤谷の土砂ダムを中心にした雨雲レーダー画像のように、任意の場所(アメダス観測所等)を中心にした雨雲レーダーを表示するためのリンクも上記ページに用意しています。
最後に、沖縄では現在のところ風雨はそれほど強くはないと思いますが、台風はやや発達傾向が見えてきましたので、台風の接近によってやや風雨が強まる時間帯もありそうです。それより影響が大きそうなのが、長時間にわたって台風が居座るということです。かつて沖縄本島では、台風200116号が周辺に約1週間居座って、大きな被害が出たことがありました。沖縄では離島が多いため、台風が居座ると交通機関の運休やライフラインの停止からの早期復旧が難しくなります。そうした影響も懸念される台風予報となっています。 なお湿った風の流入については、やや専門的なデータになりますが、GPV Navigator(例えば700hPa面の相対湿度)や鉛直台風でも確認することができます。こうしたデータを見ると、台風15号による湿った空気の流入は、衛星画像上での雲の分布から想像される範囲よりも広いことがわかります。

2011年09月15日 13:00 JST

台風15号(ROKE)は西に進んでおり、大東島地方は強風域に入りました(参考)。しかし通常のイメージの台風とは少し異なり、強さ(最大風速/中心気圧)がそれほど強くない割には、強風域が大きくなっています。その原因は衛星画像にも見えるように、台風の渦の周囲にさらに大きく広がる渦の存在にあるでしょう。特に台風の発生初期は、この大きな渦の中でより小さな渦である台風中心がどこにあるのかはっきりせず、台風経路図でも中心がジグザグ動くことになりました。これは台風の実際の動きを表しているというよりは、人間の解釈の動きを表していると言った方がよいかもしれません。 そして懸念されるのは、このような大きな台風の構造によって、記録的な大雨の原因となった台風12号と似た状況が紀伊半島で生み出されることにあります。前回の大雨も、台風そのものが雨雲を連れてきたというよりは、太平洋上の湿った風を台風が強めたことによって、同じ場所で大雨が続くことになったと考えています。今回の台風も沖縄付近で停滞する間に、その周囲を吹く湿った風を強めてしまうかもしれません。そうなると紀伊半島には長時間にわたって南東風(前回よりも東風成分が強い)が吹き込むことになり、台風12号ほどではないにしろ雨が続く可能性も出てきています。このような今後の風の予想を確認するには、福島第一原発周辺の風向きマップを紀伊半島まで移動させ、地図上部のスライダーを動かしてみて下さい。同様に福島第一原発周辺の雨量マップでは予想雨量の分布も確認できます。 紀伊半島では前回の大雨による土砂崩れでせき止め湖が形成されており、それほどの雨量でなくても決壊する危険性があるようです。気象レーダーアメダス降水量マップを確認する限りでは、今のところ紀伊半島ではまだところにより小雨が降るという程度のようですが、今後の気象情報には十分に注意し、必要があれば早めの避難を心掛けて下さい。

2011年09月13日 22:30 JST

台風15号(ROKE)が日本の南で発生しました。熱帯低気圧として発生してから台風に成長するまでに時間がかかりましたが、今日になって雲がまとまってきました。今後は沖縄方面へと進む予報が出ていますが、この台風も比較的動きがゆっくりですので、今後の動向に注意してください。

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