台風201515号 (GONI) 台風の名前 = コーニー (GONI) : 白鳥 [韓国]

2015年10月10日 17:30 JST

台風15号(GONI)のベストトラックデータを見ると、石垣島接近時の中心気圧は940hPaから930hPaに修正され、最大風速も95ktから100ktに上方修正となりました。その他のデータも全体的に修正され、石垣島接近前後の急速な発達がより明瞭に見えるようになりました。
速報値に基づく中心気圧の変化 ベストトラックに基づく中心気圧の変化

2015年09月29日 15:00 JST

平成27年台風第15号の急発達と暴風について ~ドップラーレーダー観測データを用いた台風の強度・構造解析~が気象研究所から発表されました。石垣島接近時は台風が急発達する途中であったことが、レーダーなどの観測データからも裏付けられる内容ですが、どうしてそうなったかというメカニズムはまだわかっていない部分も多そうです。ちなみに台風21号による与那国島の暴風も、まだよくわかっていないメカニズムによる特異的な暴風という面があるのではないかと思っています。

2015年08月26日 18:30 JST

台風15号(GONI)は、25日の5時過ぎに熊本県宇城市付近を通過、6時過ぎに熊本県荒尾市付近に上陸し、九州北部を通過して日本海に出ました。 最大瞬間風速は枕崎で45.9m/s、熊本で41.9m/sなどを記録し、強風で建物が壊れたり、車が飛ばされたり、太陽光発電所が崩壊したりなどの被害が出ました。また、上陸から1日半が経過した26日夕方の時点でも、鹿児島や熊本では数万軒の単位で停電が続くなど、暴風による被害が広範囲に及んだことがわかります。 一方、雨量に関しては、実は台風の中心から遠く離れた三重県の方が多く、特に宮川では、全アメダス観測所の12時間降水量ランキングで歴代10位に相当する585.5mmに達する大雨となりました。

2015年08月24日 20:00 JST

台風15号(GONI)は先島諸島を直撃して東シナ海を進んでおり、台風予報履歴によるとこれから九州に接近し、上陸する可能性も高くなってきています。ただし上陸しなくても九州の西側を通ることは変わらず、これは一般的に強風の影響が強まることを意味します。さらにこの台風は東側に強い雨雲を伴っていますので、上陸するしないにかかわらず警戒が必要です。 昨日の台風のレーダー動画を見ると、台風の中心は波照間島付近から西表島付近を通過していったようです。そして、眼の東側の壁雲が直撃した石垣島では最大瞬間風速71.0m/sを記録しました。70m/sの風速は時速に直すと252km/hに相当しますので、これは新幹線が壁にそのまま突っ込んでくるほどの暴風です。このレベルの暴風はさすがに沖縄地方でも滅多に見られないもので、台風慣れしている現地住民でも恐怖を感じるほどの状況です。 最近の例では、2003年台風14号に宮古島で記録した74.1m/sの暴風では、約800本の電柱や風力発電所の風車が根こそぎ倒壊するなどの大被害となりました(参考:沖縄電力)。気象庁の歴代ランキングでは今回の最大瞬間風速は7位にランキングされていますが、実は2003年宮古島の記録はここに出ていません。それはこのランキングが1観測所で1回しかカウントしないという方法で作られているからです。ですので、「石垣島で歴代7位の強風を観測した」という表現はやや誤解を招くもので、より正確に言えば「石垣島は全国で7番目に強い最大瞬間風速を記録した観測所となった」と言うべきでしょう。とはいえ、今回の暴風が歴史的なレベルであることは確かで、台風ニュースを見るとけが人が出たり、車が横転したりするなどの被害が出ているようです。 次に地域ごとの差を見てみましょう。以下は気象庁の過去の気象データ検索を使ってグラフ化したものです。
波照間(沖縄県) - 台風中心付近 西表島(沖縄県) - 台風中心の西側 石垣島(沖縄県) - 台風中心の東側
橙線は平均風速(m/s)、赤線は最大瞬間風速(m/s)、緑線は海面気圧(hPa)、薄青棒は10分間降水量(mm)。参考:気象庁観測データ「10分ごとの値」
まず波照間は、台風の眼にスッポリと入ったことがわかります。風速が急に弱まり、雨も全く降っていない時間帯があります。ツイッターには波照間の眼の中の写真と思われるものがアップロードされています(写真1写真2写真3)。今回の台風はかなり眼が大きい台風で、動きも遅かったため、眼の中にいる時間も長かったのでしょう。私も一度この光景を見てみたいものだと思っています。 一方、台風中心の西側に入った西表島では、それほど明確なパターンは見られず、台風の眼の中心ではなく端の方に入りながら風が弱まっていったようです。また石垣島よりも中心気圧は下がっており、西表島の方が中心により近かったと考えられます。 最後に、台風中心の東側に入った石垣島はなかなかハードな状況で、風速は単調に増加してピークを迎え、しばらくピークが続いた後に弱まっていきました。つまり石垣島は眼の中に明確に入った時間はなく(雨量が減っている時間帯は眼の端?)、台風が通過する間はずっと強風が続いたようです。実はこの台風は八重山地方に接近する少し前から再発達を開始しており、石垣島接近時には急速に勢力が強まっていた可能性があります。そして、中心の東側の壁雲が特に猛烈に発達して、その下では予想以上の風速を記録したのかもしれません。眼の大きな台風でこれだけの風速を記録するというのはやや意外な感もありますが、この台風で最も強烈な領域がドンピシャで石垣島の中心部を直撃したのではないでしょうか。

2015年08月21日 23:30 JST

台風15号(GONI)はフィリピンの東で転向して先島諸島に進みそうです。台風予報履歴では一貫してフィリピンの東での転向を予報していましたが、その通りになりそうです。この間の雲の変化については、ひまわり8号の機動観測域を用いた高頻度観測画像をご覧下さい。

2015年08月15日 06:00 JST

台風15号(GONI)がマリアナ諸島で発生しました。今後はサイパン方面に接近する予報です。サイパンは台風13号で大きな被害を受けたばかりのところで、台風災害からの復興に影響が出ないことを願います。

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