2017年(平成29年)の台風に関する情報のまとめ

2017年12月31日

2017年(平成29年)の台風の発生個数は27個とほぼ平年並でした。台風上陸数は4個と多めの年となりました。ただし今年は台風よりも豪憂災害の方が衝撃が大きく、特に7月に発生した九州北部豪雨の衝撃が大きかったという印象です。この豪雨には台風201703号が関係したことにはなっています(梅雨前線及び台風第3号による大雨と暴風)が、実際には台風通過後に発生した豪雨と言えます。 アメダス観測地点ではそれほどの豪雨ではありませんでしたが、福岡県が設置した雨量計では観測史上最大級の雨量を記録し、大きな被害が発生しました。特に福岡県朝倉市黒川(北小路公民館)で記録した9時間雨量778mmは、アメダスで記録した過去の集中豪雨と比べても空前の大雨となり、現地では大きな災害となりました。これほどの空前の大雨であれば、既存の防災対策はほぼ無力化してしまい、安全な場所に避難するしか逃げるすべはありません。日頃から安全な場所を確認しておき、早めに避難することが一番の対策だと思います。

台風ウェブログの今後

今年は台風ウェブログの更新が遅れぎみでご迷惑をおかけしました。ウェブログの更新がされないことに対するお叱りの声もいただきました。ただ、ウェブログの更新が遅れたことはそれなりの理由があり、来年度に向けて解決する必要もあります。以下ではこの問題をまとめるとともに、今後の展望を考えてみたいと思います。 まず台風ウェブログは特徴的な台風でないと書きづらいという問題があります。また時間がないと記事を書けないという問題もあります。時間的な余裕がないと、どうしても書きたいことがない場合は先送りすることが増えてしまいます。それに加えて、デジタル台風のデータ配信が過渡的な状態にあるという問題もあります。アメダスデータの配信が現在止まっており、来年には再開したいと考えていますが、独自データがないとそれだけ「デジタル台風の独自情報」として書ける情報も減ってしまい、記事が書きづらくなってしまいます。このような問題が重なって、今年はウェブログ記事の執筆が滞ることが増えてしまいました。 ただしそれにも増して、そもそも台風ウェブログを書く目的が実現しづらくなってきたという問題を考えておかねばなりません。これまでもよく誤解されてきたのですが、台風ウェブログを書く目的はそもそも気象現象の解説にあったわけではなく、ウェブサイトの機能の紹介が主な目的であり、それぞれの台風に対してどんなデータを見ればよいのかを解説することが目的でした。さらに、ウェブログで解説する際に不足した機能に気づくことが、そうした機能の開発に向けたモチベーションの向上にも寄与するという効果もありました。これを私はブログ駆動開発と呼んでいます(デジタル・アーカイブの鍛え方〜公開から始まる継続的な改善を駆動する方法論)。 しかしここのところ仕事が立て込んでいることもあって、新しい機能の開発に割ける時間が大幅に減っています。新しい機能の開発ができないと、ブログを書くことによって不足する機能を発見するという「デバッグ」へのモチベーションも下がってしまいます。こうした状況が複合的に重なることによって、ブログを書く回数が減ってしまいました。 残念ながら、時間が少ない状況は来年も解消しそうになく、この点については改善が見込めません。しかし、アメダスなどここのところ使えなかったデータが使えるようになれば、モチベーションが上向く可能性もあります。また、これまであまり活用できてなかったひまわり8号のデータを活用する環境が徐々に整ってきていますので、これらを台風ウェブログで活用しやすくなれば、記事も書きやすくなります。そうしたデータの面から執筆環境を回復するというのが当面の目標です。 いずれにしろ、台風ウェブログは、現象の解説をするページではなく、データの紹介をするページです。そのため、気象庁のデータなどを引用して書けることを書くことが目的ではなく、独自のデータ処理によって気付けることを中心に書くことが目的であることはご理解下さい。そしてそれを長期的に記録していくことで、経年的な比較もできればよいと考えています。この点は今後も変わることのない目標です。

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