台風200423号 (TOKAGE) 台風の名前 = トカゲ (TOKAGE) : とかげ座 [日本]

2004年11月3日

2004年11月1日のNHKクローズアップ現代「”巨大台風”直撃」は、台風23号による災害を特集しました(このサイトのデータも少し提供しました)。この番組では、2004年の台風はなぜ衰えずに日本に上陸したのかなど、今後の解明が待たれる科学的課題も取り上げられましたが、私が関心を持ったのは台風23号による災害事例の検証でした。 まず舞鶴市(由良川)で発生した観光バス水没事故について。地元の人は洪水が発生した場所が危ないことを知っており、水位が上昇すると車を捨てて素早く逃げたのだそうですが、たまたまそこを通った車(観光バスもそう)は的確な情勢判断ができずに、逃げ遅れてしまったとのことです。このことは、自分がなじみのない場所では災害に巻き込まれるリスクが高まることを意味します。このような場合、どのように情報を入手し、また伝達すればよいでしょうか? 次に豊岡市(円山川)で発生した大洪水について。多くの家庭に防災行政無線が配備されていたにもかかわらず、無線を通した災害避難情報では情勢の緊迫が伝わらず、多数の人が逃げ遅れてしまったとのことです。当初の「避難勧告」を後で「避難指示」に格上げして住民に避難を呼び掛けた、とのことですが、これらの言葉の意味の違いをどれだけの人が正しく理解できるでしょうか。「水が溢れそうだとの情報があれば避難したのに」との意見がありましたが、もっともな意見だと思います。 避難勧告や避難指示などに使われる抽象的な言葉では、現場の実感がうまく伝わらないのではないかと懸念します。「水が溢れそう」などは主観的な表現なのかもしれませんが、具体的な表現の方が人々にはより強く訴えるでしょう。それに加えて具体的な表現の一つとして、特に「生データ」の活用が重要な課題だと考えます。「現在の水位は○○メートルです。あと××メートル上昇すると堤防から水が溢れます。それまであと□□時間程度です。」などの具体的な数字なら、あいまいさも少ないのではないでしょうか。 このような生データには解釈が必要ですので、そのままでは万人が理解できる情報とは言えず、「災害情報デバイド」が生じるかもしれません。しかし、実際に河川の水位情報は、インターネット(国土交通省 川の防災情報)でリアルタイムに公開され、すでに生データを入手できる環境は整っています。上記の災害現場に近い由良川 地頭観測所(舞鶴)や、円山川 立野観測所(豊岡)の観測データも公開されています。このような生データを多少はわかりやすい情報に翻訳したうえで、インターネットにアクセスしない(できない)人にも伝達すればよいのではないでしょうか。 昔と違い、台風の位置は気象衛星画像で追跡できますし、アメダス、レーダや水位情報など、生データがインターネット経由で豊富に入手できる時代になっています。それに対して災害情報の表現と伝達は、このような生データ過多時代にまだ十分に対応できていないような印象を受けます。

2004年10月21日

台風23号(TOKAGE)は中部山岳地帯で砕け散ったような格好となりましたが、時間の経過とともに死者・行方不明者の数は増加し、台風による人的被害としては死者・不明115人に達した台風197920号に次ぐ規模に達しました(詳細)。今シーズンの度重なる台風襲来によって、すでに災害への耐性が弱まっていたのかもしれません。 それに加え、今回の台風は異例でした。異常に広い強風域(超大型)、台風の北側での強風と大雨(通常なら可航半円とよばれる領域で風は弱いはず)、中心から離れた場所での強風、、 このような特徴が大きな被害に結びついた一つの要因であるに思えます。 以下は単なる推測に過ぎませんが、これには季節的な要因が関係しているのかもしれません。10月下旬ですでに寒くなった日本を暖かい空気をもつ台風が突っ切ることになったため、日本全体が暖かい夏に比べると台風の北側での寒気と暖気の温度差がより大きくなり、より激しい気象現象が発生してしまったのではないでしょうか? ともかく上陸時期や被害の大きさも含めて異例の台風で、何が本当に起きたのかに関する科学的説明が、今後の台風対策にとって有用な知識になると思います。

2004年10月20日

台風23号(TOKAGE)は高知県・土佐清水市付近に上陸しました。今回の台風は大型であるために、中心からかなり離れた地点でも強風が吹いているようです(例えば長崎県・雲仙で最大瞬間風速63.7m/sを記録)。また台風の東側(進行方向前方)に活発な雨雲が広がっているようで、四国や紀伊半島などで雨量がかなり増加しています。 今後は、強い風雨の地域が、近畿・中部・関東に移っていきそうです。今シーズンに上陸した10個の台風で既に被害を受けている地域での再度の災害が懸念されます。 この台風に関する主な台風シーズン記録(1951年以降 / 南西諸島については1955年以降):
  • 日本に上陸した台風:10個 (これまでの記録6個:1990年と1993年)
  • 南西諸島(沖縄)に接近した台風:13個 (これまでの記録12個:1966年)
  • 上陸した時期の遅さ:3位 (1位: 台風199028号の11月30日、2位 台風196734号の10月28日)

2004年10月19日

台風23号(TOKAGE)は、沖縄本島から奄美諸島・大隅諸島を経由して九州・四国・本州・北海道へと、「日本国縦断コース」を進む可能性が高くなりました。小笠原以外の日本全域が強い風雨の影響を受けることになります。また今回の台風は大型であることから、上陸後に急激に衰える可能性よりも、意外にしぶとく勢力を保つ可能性の方が高そうです。

2004年10月18日

台風23号(TOKAGE)は、超大型の強風域を維持しながら沖縄に接近しています。気象庁の予報によると日本列島に上陸する可能性もあるようですが、10月に上陸した台風は、1951年以来の約50年間に10個強しかありません。

2004年10月17日

台風23号(TOKAGE)は広大な強風域をもっており、「強い台風」というよりも「大きな台風」という形容の方がよく当てはまるような感じです。今後は沖縄に接近するとの予報が出ています。

2004年10月16日

台風23号(TOKAGE)はここ1日ほど発達が止まっています。眼は見えてきましたが、まだ輪郭がぼんやりとしています。

2004年10月15日

台風23号(TOKAGE)は雄大な広がりをもつ大型の渦巻きに発達してきました。今後どこまで発達するかはまだわかりませんが、大物へと発達する素質(?)は備えているようにも見えます。

2004年10月14日

台風23号(TOKAGE)は発達しながら太平洋を西に進んでいます。

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