2013年08月20日 22:30 JST
台風14号は夜に生まれて未明に消滅し、たった6時間の命で終わりました(台風としては)。ただ、その短い命の中で色々な記録を残していった個性的な台風である、とは言えるかもしれません。
まず越境台風について見てみましょう。西経域から移動しハリケーンから台風に変わった越境台風のリストについては、台風200612号のページに過去のリストをまとめました。この時点では25個となっていますが、年ごとの分布を見ると3個も越境した年が1992年、1994年、2002年の3回もあるのに対し、2個越境した年は1回しかありません。そして1個越境した年が14回です。ハリケーンが越境するような年は、おそらく発生場所が例年よりも西に寄っているはずで、そのような年に越境台風がまとまって出現することも不思議ではありません。ただしさすがに、2個連続、ましてや2日連続というのは観測史上初の出来事になります。
次に寿命について見ましょう。トップページの経路情報で一覧(北西太平洋)をクリックすると、これまでの台風を様々な特徴から比較できます。ここで寿命を2回クリックして、短命台風順に並べ替えてみましょう。するとこの台風の寿命6時間は、歴代3位タイ(同順が6個)の短命台風に相当することがわかります。夜に発生して未明には消滅したので、寝ている間に生まれて消えたと感じる人もいるでしょう。なおランキングトップは、寿命0時間の台風197013号です。
最後に強さの一つである中心気圧について見ましょう。トップページの最低中心気圧で検索で、上限を1004hPa、下限を1008hPaにして検索し、その後の画面で最低気圧を2回クリックすることで、最弱台風順に並べなおしてみましょう。するとこの台風の最低中心気圧1004hPaは、歴代5位タイ(同順が9個)の「高気圧」台風に相当することがわかります。中心気圧が直接的に強さを表すわけではありませんが、台風で強風が吹くには気圧の傾き(傾度)が必要なので、これだけ最低気圧が高いということは、かなり強い高気圧の中に発生した台風ということになるでしょう。なおランキングトップは、最低気圧1008hPaの台風196019号です。
このように西経域から移動してきた台風14号は、なかなか個性的な記録を残して消えていきました。
2013年08月20日 00:00 JST
台風14号(UNALA)がミッドウェー諸島近海でハリケーン(Tropical Depression)から台風に変わりました。2日連続の越境台風というレアな記録を作りましたが、もうほとんど死にかけている状態でもあり、台風としては非常に短命で終わってしまいそうです。なんというか、2日連続越境記録を作るためだけに生まれてきたような台風で、その役割を無事に果たしました。
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