2015年09月29日 18:00 JST
台風21号(DUJUAN)による暴風の様子を見てみましょう。以下は気象庁の過去の気象データ検索を使って、アメダス10分値をグラフ化したものです。
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石垣島(沖縄県)
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波照間(沖縄県)
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与那国島(沖縄県)
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橙線は平均風速(m/s)、赤線は最大瞬間風速(m/s)、緑線は海面気圧(hPa)、薄青棒は10分間降水量(mm)。参考:気象庁観測データ「10分ごとの値」
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石垣、波照間ともピークは正午ごろですが、与那国は16:00頃と、台風の進行に合わせて数時間のずれがあります。与那国は石垣よりも台風の中心に近かったとは言え、眼に入った兆候は見られず、おそらく眼の壁雲が通過した際に急速な気圧低下が起こっています。気圧と風速のピークは鋭く、15:30〜16:20の約1時間は、最大風速50m/s以上、最大瞬間風速70m/s以上が続くという恐怖の時間帯が続いたことが見て取れます。各地では最低気圧の少し後に最大風速を記録しており、与那国で最低気圧を記録したのも、暴風が本格的に強まる15:30頃の949.8hPaでした。予想以上に風が強い台風だったという意味では、今年の台風15号と共通する特徴があるような気がします。
また、与那国で風が強くなったもう一つの原因として、台風の経路が与那国に吸い込まれるようにすっと北側にずれたため、台風中心と与那国との距離が一層近付いてしまったという点も挙げられるかもしれません。詳細経路情報を見ると、9月28日の日中は以前よりも北向きへの成分が大きくなって、経路が北側に膨らんでいることがわかります。ところが台風予報履歴/発表時刻固定を確認すると、このように北側にぶれること自体は意外なことではなく、それなりに予報できていたようなのです。事前に予報できていたということは、そこに何か理由があるはずですが、それは何でしょうか?
理由として思いつくのは、すぐ近くにそびえる台湾の地形との相互作用です。台湾は中央部に3000メートル級の山々が連なる島であり、台風の渦巻き構造を粉砕してしまうほど影響力が大きい地形となっています。例えば、この地形の影響で台風の下層中心が北に押し上げられ、上層中心とずれてしまうようなメカニズムを考えることも可能です。今回の台風の経路を見ると、台湾への上陸後に台風中心が南向きに鋭角ターンしていますが、これは山岳部に入って下層中心が消えたため、直進してきた上層中心に台風中心がジャンプしたとも解釈できるでしょう。地域的な要因で台風の経路が北に微妙に曲がり、それによって猛烈な風域がドンピシャで与那国をヒットしてしまったのだとすれば、いくつもの条件が揃った場合にのみ発生するレアな現象なのかもしれません。
2015年09月28日 19:00 JST
台風21号(DUJUAN)が先島諸島で猛威をふるっています。 与那国島では15:41に81.1m/s、 波照間では11:55に57.5m/sの最大瞬間風速を記録しました。特に80m/s台の最大瞬間風速というのは、私も生まれて始めて見たほどの大変な記録で、富士山を除く平地では、 宮古島にて1966年の 第二宮古島台風で記録した85.3m/s以来、およそ50年ぶりの記録となります。これは先月の 台風15号と非常に似たパターンの強風のように思えます。眼が大きめで、発達中または勢力を維持している台風の、進行方向右側の壁雲の下で発生した、局所的な突風でしょうか。
2015年09月27日 18:00 JST
台風21号(DUJUAN)は先島諸島に接近しています。今日になって明らかに勢力を強めており、しかも先島諸島は台風の進行方向右側に入ることから、 台風15号に続いて再び暴風と猛烈な雨の影響を受けそうです。特に心配なのが波照間島で、台風の中心により近くなるため、台風中心付近のぶ厚い壁雲の通過に伴い、暴風や高潮などの影響が大きくなる可能性があります。
2015年09月23日 07:00 JST
台風21号(DUJUAN)がフィリピンの東で発生しました。今後の進路は西から北に変わるとの予報ですので、最新の情報に注意して下さい。
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