台風22号（ライ）が猛烈な勢力で通過したフィリピンでは、時間の経過とともに台風災害の全貌が明らかになりつつあります。台風が直撃したボホール島付近の被害が最も大きく、そこから近いセブ島やミンダナオ島も大きな被害を受けているようです。死者は約400人に達しており、さらに被害が拡大する可能性もあります。

台風22号（ライ）はベトナム中部の沖合で中心気圧915hPa、最大風速55m/s、最大瞬間風速75m/sの猛烈な勢力に発達しています。この地域でこれだけ強い勢力まで発達した台風は、観測史上初と思われます。しかしベトナムにとって幸なことに、今後は南シナ海をUターンする見込みで、最接近時でも暴風域がかする程度となりそうです。そして台風は、今後も海上を進みつつ、勢力を弱める予報となっています。

台風22号（ライ）がミンダナオ島の東で急速に発達しています。予想経路の北には2013年の台風ハイエンで甚大な高潮災害を受けたタクロバンがありますが、今回の台風はやや離れた地域を通過するため、前回のような大きな高潮は発生しないと考えられます。一方、レイテ島やミンダナオ島には他にも南や東に開いた湾がありますので、強風や大雨だけでなく高潮にも警戒が必要です。

台風22号（ライ）がカロリン諸島で発生しました。今後は発達しながら西に進み、フィリピン南部から中部を横断する見込みです。