2007年08月14日 12:30 JST
台風7号(WUTIP)は消滅前に雲域を大きく拡大し、一時は八重山諸島が暴風域入りかといった予報まで出たのですが、なぜかその雲域は間もなく消えてしまい、台風の中心があったはずの場所には何も残りませんでした。気象庁は8月9日12時(JST)に台風が熱帯低気圧に衰えたと判断し、その熱帯低気圧も6時間後の8月9日18時(JST)には地上天気図から姿を消しました。
しかしそこから新たな展開が始まりました。15時間後の8月10日9時(JST)、台風が消えた場所あたりに新しい熱帯低気圧が発生します。そしてその熱帯低気圧が東シナ海をゆっくりと北上する間、東側の沖縄県では大雨と強風の天候となり、那覇では72時間降水量約500mmを記録し、各地で被害が発生しました。アメダスイベント検出には、沖縄県における大雨の影響がまだ見えています。
さらに、その熱帯低気圧は東シナ海を北上して、8月11日〜8月12日ごろに朝鮮半島付近で梅雨前線と一体化し、今度は北朝鮮に大雨を降らせることとなりました。北朝鮮各地では豪雨被害により、数百人が死亡・行方不明になっていると伝えられています。
このように、時間軸をさかのぼりつつ沖縄や北朝鮮での豪雨の元を探っていくと、結局は台風7号の残骸(?)にまでたどり付くことになります。また、同時期に近くに発生していた台風6号の残骸の方も、いったんは海南島にまで西進したあと、今度は黄海まで延々と逆戻りしてきており、間もなく朝鮮半島に接近することでさらに豪雨被害が広がることも懸念されます。
2007年08月08日 20:00 JST
台風7号(WUTIP)は雲域を大きく拡大中です。Google Earth上で確認すると、台風7号と台風6号の中心の間の距離が700km程度と非常に近く、しかも台風7号が中心から西側に雲域を拡大しているため、赤外画像で見ると台風6号を飲込みそうな勢いで雲域が接近しています(下に示す可視画像ではそれほどでもないですが)。
ところで、今度の台風が接近する先島諸島では、このところサンゴの白化現象が問題になっています。デジタル台風では、ニュース・トピックスのコーナーからたどって、「白化」という言葉のトレンドを表示し、そこで例えば台風200706号を選ぶと、サンゴの白化に関する最近のニュースを閲覧できます。
白化という「サンゴの死」が発生する原因の一つは高い海水温にありますが、その高い海水温を下げる役割を果たすのは、意外にも(?)台風です。台風の強風によって海水がかき混ぜられると、下方にある冷たい海水が上昇してきて海水温が低下し、これがサンゴ生態系の維持に重要な役割を果たしているという説があります。台風6号に続いて台風7号が先島諸島を通過して海水温を下げてくれれば、サンゴの危機を救う手助けになるかもしれません。
2007年08月08日 10:45 JST
台風7号(WUTIP)が沖縄の南で発生しました。 台風6号の後を追うように発生した台風で、二つの台風はかなり接近しています。気象庁の予報によると台風6号に比べると北に進むコースを取るようで、先島諸島には影響が出そうです。
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