2012年10月02日 18:30 JST
台風17号(JELAWAT)は9月30日の19時頃、愛知県東部に上陸し、東海、関東、東北を通り抜けて北海道の太平洋沖を通過しました。各地では強風によるケガ人が相次ぎ、また季節的な要因も重なって8地点では過去最高の潮位を記録したとのことです。ただし本州に接近した際には勢力が衰えつつあったため、類似台風と指摘された台風201115号よりは小さな被害で済みました。
さて、この台風に関して検討すべき点は、沖縄における台風情報の出し方でしょう。この夏は強力台風トリオの台風15号〜17号が沖縄本島を短期間に連続直撃するという異例の展開となり、沖縄気象台も繰り返し台風への警戒の呼び掛けに追われました。その一環として、以下のような文書を報道発表資料として公表しています。
中身から受け取れる感じでは、警戒を呼び掛ける程度は台風15号>台風16号>台風17号となっており、次第にトーンダウンしているようにも見えます。ところが実際の台風の影響はどうだったでしょうか?
これらの台風の最大瞬間風速 | 期間降水量の最大値を比べてみると、台風15号は41.5m/s | 550.5mm、台風16号は55.3m/s | 273.0mm、台風17号は61.2m/s | 576.5mm (*1)となり、影響の大きさはおおむね台風15号<台風16号<台風17号と後になるほど大きくなっています。つまり警戒の呼び掛けと影響の大きさが対応していません。
これらはある程度は「結果論」であって、そうならない可能性もあったことは確かです。特に、台風15号は沖縄接近時には発達過程にあった(と解釈した)ためどこまで影響が強まるか読みづらかったのに対し、台風16号と台風17号は既に衰弱過程に入っていたため影響の上限が読みやすかった、という面は無視できない違いだとは思います。とはいえ、最初の台風15号での呼び掛けが必ずしも妥当でなかった(?)ことの影響により、その後の呼び掛けがトーンダウンしてしまったということはないでしょうか?本来は台風17号が最大級の警戒を要する台風だったはずなのに、どうしてそうならなかったのか。そこは個人的に気になるところです。
台風15号における「最大級の警戒」という呼び掛けは、確かにその時点では妥当ではなかったかもしれませんが、その記憶が残っている中での台風16号と台風17号への備えには、それなりのプラス効果を及ぼした面もあったのではないかとも思います。であれば警戒を広報すること自体には価値があると考えられます。問題は適切な時に適切な情報を出すこと。何らかの読み違えがあったのならそれをきちんと検討した上で、今後に生かしてほしいと思います。
2012年09月30日 17:30 JST
台風17号(JELAWAT)は15時頃に潮岬付近を通過して紀伊半島沿いを進んでおり、今夜には東海地方に上陸する可能性が高くなっています。最盛期に比べると雲の形はだいぶ崩れて小さくなりましたが、台風の速度は増しつつあるため、中心付近やその東側の地域でも強風となる恐れがあります。また 雨雲も中心の北側に広がっています。
2012年09月30日 10:30 JST
台風17号(JELAWAT)は四国の南方を北東に進んでいます。 雨雲は台風の北側に広がっており、四国地方などで雨が降っています。台風は今後も北東に進んで、東海地方を中心にしたエリアに上陸する見込みです。経路や勢力としては 台風201115号に近くなりそうですので、 経路の比較も参考にして台風には十分に備えてください。雨よりも風の影響が大きい台風だと思います。
2012年09月29日 22:30 JST
台風17号(JELAWAT)の強風が各地で吹き荒れています。 今日の全国観測値ランキングで最大瞬間風速の上位を占めている観測所を、最大瞬間風速の時間順に並べてみたのが下の表です。おおむね 台風の進行にしたがって南東から北西へと動いていますが、10:00-13:00までの間の地点がないのは、この時間帯に台風の眼がアメダス観測所の上を通過していたためです。ただ、最大瞬間風速を記録した時刻が中心の到達前か後かは、場所によって異なるようです。この中でも最大値を記録した 那覇(風速計の高さが47.7mと他に比べて高いことに注意)では、中心が通過した後に最大瞬間風速を記録しています。なお停電状況ですが、沖縄電力の停電は21時現在で242.4千戸と16時の334.4千戸をピークに復旧が進んでいますが、九州電力の停電は22時現在で56.7千戸と逆に増えています。天城町、伊仙町、和泊町は停電率100%です。
2012年09月29日の各地の最大瞬間風速(宮城島は後日修正済)
都道府県 |
観測所 |
m/s |
風向 |
時分 |
鹿児島県 |
喜界島 |
52.5 |
北北西 |
21:45 |
鹿児島県 |
天城 |
52.0 |
北北西 |
18:29 |
鹿児島県 |
沖永良部 |
53.0 |
北北西 |
17:46 |
鹿児島県 |
与論島 |
54.5 |
北西 |
16:20 |
沖縄県 |
名護 |
57.4 |
北西 |
15:20 |
沖縄県 |
伊是名 |
51.8 |
北北西 |
14:51 |
沖縄県 |
宮城島 |
62.6 |
南東 |
14:43 |
沖縄県 |
那覇 |
61.2 |
西北西 |
13:23 |
沖縄県 |
安次嶺 |
52.0 |
西北西 |
13:18 |
沖縄県 |
北原 |
55.0 |
北北西 |
09:47 |
沖縄県 |
糸数 |
55.6 |
南東 |
08:17 |
沖縄県 |
渡嘉敷 |
58.9 |
南東 |
07:51 |
2012年09月29日 15:00 JST
台風17号(JELAWAT)の風は強烈です。沖縄本島では現在吹き返しの強風が続いており、 那覇では13:23に61.2m/sの最大瞬間風速を記録するなど、沖縄本島では最大瞬間風速が各地で50m/sを越えてきています。停電状況を見ても、 沖縄電力では13時現在220.6千戸の停電、 九州電力では14時現在16.4千戸の停電となっています。沖縄で今年最強の風を記録した台風がこれから接近する本土では、台風自体の進行速度がさらに増すことで風が強まる効果も出てきますので、強風への十分な警戒が必要です。
2012年09月29日 08:30 JST
台風17号(JELAWAT)はまたまた沖縄本島を直撃しそうで、結局 強力台風トリオはすべて沖縄本島を通過することになりそうです。 台風進路予想図によると今日の午前中にも沖縄本島付近を通過し、その後は奄美地方の南側を進む可能性が高くなっています。 渡嘉敷では7:12に51.5m/s、 下地では2:22に50.4m/sを記録しています。 雨雲レーダー画像や、 2012年9月29日の動画を見ると、台風は沖縄本島の南西方向から接近中であることがわかります。
2012年09月28日 19:00 JST
台風17号(JELAWAT)は沖縄に接近しています。現在石垣島地方に最接近しており、これから宮古島地方、沖縄本島へと台風が進んでいく予報となっています。 石垣島では16:49に最大瞬間風速50.6m/sを記録しています。台風は眼もぼやけてきて、ようやく衰弱段階へと入ってきましたが、今回の強力台風トリオ、 台風15号、 台風16号、台風17号の中ではこの台風だけが速度が増す コースを進むため、前の2つの台風よりもさらに強い風が吹くことも予想されます。沖縄気象台は再び 報道発表資料を出して警戒を呼び掛けています。
2012年09月27日 19:30 JST
台風17号(JELAWAT)は非常に美しい渦巻きを維持しています。中心気圧、最大風速とも昨日よりは多少弱まりましたが、雲の形を見る限りでは、最盛期の台風と言ってもよさそうな勢いを示しています。昨日の雲パターンと比較すると、眼の大きさが拡大した点が大きな変化で、その影響で中心気圧や最大風速という数字上は弱まったようにも見えますが、実質的にそれほど勢力が衰えたわけではなさそうで、個人的にはこれが今年最強の台風なのではないかと思います。
台風進路予想図は昨日あたりでもなかなか進路が読めずに巨大な予報円となっていましたが、今日の午後になって予報円がだいぶ絞られてきて、先島諸島から沖縄本島、奄美地方へと北西に進むコースが見えてきました。特に沖縄本島は台風15号、台風16号に続く3連続直撃を受ける可能性も出てきており、いろんな方向から台風が接近する災難な台風シーズンとなっています。現在は先島諸島全体が強風域に入っていますが、このあと沖縄本島も強風域に入る見込みです。
2012年09月26日 21:00 JST
台風17号(JELAWAT)は、1日半にわたって中心気圧905hPaの勢力を維持しており、安定しています。その要因は、海水温が高い地域を上陸もせずゆっくり進んでいるという点にありそうです。ただし過去の例から見ても、これだけの強い勢力を2日以上にわたって維持するのは難しく、そろそろ勢力のピークを過ぎるころかもしれません。今後の進路の不確定性はまだ大きいですが、沖縄に影響が生じる可能性もある予報円に変わってきました。
2012年09月25日 14:30 JST
台風17号(JELAWAT)は昨日に比べてさらに発達しています。 台風15号、 台風16号から続く3連続の強い台風の中でも、この台風が最も輪郭がくっきりした眼を示しています。気象庁の予報によると台風はさらに発達を続けて、中心付近の最大風速60m/s、最大瞬間風速85m/sに達するとのことです。
2012年09月24日 22:15 JST
台風17号(JELAWAT)の中心気圧は21時に910hPaまで低下し、これで台風15号、台風16号に続き、3連続で中心気圧が910hPa以下にまで発達しました。強い台風が連続発生するというこのような例は、過去にあったのでしょうか?
それを調べるには最低中心気圧で検索を使います。ここで下限を910hPaに指定して検索すると、これまで中心気圧が910hPa以下になった台風108個のリストが出ます。今のところ「3連続」を直接調べる機能はないので、上からずっと見ていくしかないのですが、これを見ていくと過去に1回だけそうした例があったことがわかります。すなわち台風199723号、台風199724号、台風199725号の3連続です。ただしこの時は10月中旬から11月上旬にかけての3連続であり、季節もすでに秋に入っていたため、日本に大きな影響を与えることはありませんでした。
それに比べると、今回はすでに2連続で沖縄本島〜奄美地方を直撃しており、気象庁の5日予報によるとこの台風も沖縄に影響を与える可能性があり、その意味では今回は異例の3連続とも言えます。さらに4連続となれば史上初の出来事ですが、それはさすがに難しそうな感じです。
2012年09月24日 12:15 JST
台風17号(JELAWAT)はフィリピンの東でゆっくりと北に動いています。中心付近には雨雲がまとまって眼も見えますが、この時間は発達がいったん落ち着いており、勢力のピークはまだ先かもしれません。
2012年09月23日 20:40 JST
台風17号(JELAWAT)がフィリピンの東で急速に発達しています。衛星画像でも台風の眼がはっきりと見えるようになってきました。台風は南西に進んで停滞するというやや複雑な動きをしていますが、今後はしばらく北に動くとの予報が出ています。
2012年09月21日 06:00 JST
台風17号(JELAWAT)がフィリピン東で発生しました。予報によると動きが遅い台風になりそうです。
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