台風201419号 (VONGFONG) 台風の名前 = ヴォンフォン (VONGFONG) : すずめ蜂 [マカオ]

2014年10月10日 23:00 JST

台風19号(VONGFONG)はまだ沖縄のはるか南にあるというのに、すでに沖縄本島を中心に各地で強風となっています。沖縄県南城市の糸数では21:44に最大瞬間風速43.0m/s、21:46に最大風速27.6m/sを記録しました。まだ雨雲はかかっておらず、暴風域にも入っていませんが、すでに暴風域に入ったかのような強風となっています。 これは台風本体の強風というよりは、北の高気圧と南の台風との間に生じる気圧の差が局所的に大きくなって、気圧の傾き(気圧傾度)が生み出す風が強まっているのかもしれません。誤解されることも多いのですが、風速は気圧が低いところで強くなるのではなく、気圧の差が大きいところで強くなります。台風の中心付近で風が強いのは気圧の傾きが大きいからですが、台風の中心から離れて気圧の高いところでも、気圧の傾きさえ大きくなれば風も強まります。そこで気象庁の天気図を見てみると、日本の北に高気圧があって南に張り出しているため、沖縄本島付近で等圧線が混み合っており、この付近で気圧の傾きも大きくなっています。このように、秋になって北方に高気圧が出現すると、中心から離れた場所で気圧傾度が大きくなる現象が台風の北側で生じやすくなり、これが中心から離れた場所で意外な強風が生じる一因となります。 なお、台風中心との距離は、台風なう!(ツイッター版)を使って計測することができます。使い方は台風なう!をご覧下さい。 今後の台風予報によると、台風の今後の経路は、沖縄から北海道までの各地をくまなく訪ねるかのような「日本縦断コース」となっており、全都道府県に影響が及びそうな状況となっています。ここにきて、台風は徐々に大型化しつつあるようで、中心気圧は少しずつ上がってはいくものの、強風と大雨の影響範囲はかえって大きくなり、パワーを蓄えたままで日本列島へと突っ込んできそうです。そして台風18号よりはスピードが遅い台風となりそうな気配もあり、悪天候の影響は長引くかもしれません。

2014年10月10日 09:00 JST

台風19号(VONGFONG)は勢力のピークを越え、これから少しずつ勢力を落としていきますが、台風の経路としては台風18号よりも西寄りの経路を通っており、沖縄本島などにも影響が出てきそうです。

2014年10月09日 08:00 JST

台風19号(VONGFONG)の勢力の変化を見ると、昨日の3時に中心気圧900hPa、最大風速115ktに達して以来、27時間もこの勢力を保っています。ただ、昨日の衛星画像と比較してみると、眼は依然としてクッキリしているものの眼を取り巻く雲の勢いが弱まってきた印象があり、これから徐々に勢力を落としていきそうです。どの台風でもこのような変化をたどるものですが、もう一つの要因として台風のスピードも影響しているかもしれません。台風はちょうど、西向きから北向きへと進路を変える転向点を迎えており、ここでスピードが遅くなることによって、より長い時間にわたって海水が強風でかきまぜられ、水温が多少低下することも考えられます。 最初に台風が接近する大東島地方は、台風18号よりも中心との距離が近くなることが予想されており、その時点までに台風がどこまで勢力を落とすか、それが島への影響を左右することになります。

2014年10月08日 08:30 JST

台風19号(VONGFONG)は2014年最強の台風(900hPa・60m/s)に発達しました。この勢力を台風201330号のピーク時勢力(895hPa・65m/s)と比べてみます。中心付近の発達した雲は同じ程度の大きさで、非常に発達した壁雲がぶ厚く眼を取り巻いています。ただ、眼の大きさを比較すると、台風201330号の方が台風201419号よりもさらに小さく締まっており、台風201330号の方が中心付近の気圧の傾きがより大きく風も強かったことを示唆しています。この違いが、台風201419号は台風201330号ほどの勢力には達していないと推定する、一つの根拠になると考えられます。 これはあくまで現時点での話で、今後さらに発達する可能性もあります。一方で、これだけの強い勢力を長期間維持することは困難で、せいぜい1日〜2日が限度だと考えられます。つまり明日以降はいったん弱まる段階に入るわけですが、単に弱まっていくのか、それとも大型の台風に生まれ変わるのかが、今後の日本列島への影響を考えるのに重要な点となるでしょう。 もう一つ重要なのは、日本列島に接近するまでにかかる時間です。ゆっくり近付けば、それだけ衰える時間も長くなりますが、比較的高速で接近してくれば、衰える前に日本列島に到達します。今回の台風は本土への接近にまだ5日以上を要しますので、その間に勢力も変わってくると考えられます。とはいえ、台風が最も早く接近する大東島地方は3日後ですので、現在の猛烈な勢力と大差ない状態で接近するおそれもあります。

2014年10月07日 19:30 JST

台風19号(VONGFONG)は台風18号よりも南で生まれ、その後も少しだけ南の経路を並ぶように進んでいます。発達の状況も似ており、今日は1日で中心気圧が35hPa低下するほど急速に発達し、台風18号の最低気圧と並びました。ただ、勢力のピークはもう少し先のようですので、台風18号よりも強い台風に発達すると予想されます。今後の進路は、5日先となるとまだ確定しない部分もありますが、台風18号の進路を大筋で的中させた気象庁の予報が今回も的中するか、最新情報に注意して下さい。 ところで台風18号の記事でも言及したところですが、本日、ひまわり8号の打ち上げが成功しました。これから準備が無事に進めば、来年の夏から次世代ひまわりによる観測が始まる予定です。日本だけでなくアジアやオーストラリアの各国からも期待されているひまわり8号。今後の活躍に期待しています。

2014年10月03日 22:30 JST

台風19号(VONGFONG)がマーシャル諸島で発生しました。そこから西北西に進んで台風18号と同じような経路を進む予報となっています。台風18号の後を進むことで、海水温などに多少の影響が出るかもしれませんが、同じ程度の勢力への発達は想定できる状況だと思います。

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